——撮影現場でスタッフから刺激を受けることはありますか?「スタッフに限らず、いろいろな人、物、事からインスピレーションを受けますし、スタッフから提案があって、それが映画に何かを加味してくれるものであれば、取り入れます。あと、本能的なものが好きなんです」
——本能的? 本能のおもむくまま、演出を変えたりすることも?「本能に従って変えることは、しばしばありまして。決めていたことでも、やっぱり違うと思って数時間後に変えたり、まったく違うアイディアが浮かんだりするので、俳優さんたちは大変だと思います。でも、私が出会った俳優さんたちで、急な変化についてこられなかった人はいません。そういうのが好きなんじゃないかなって逆に思うんです。例えば、(本作の)大統領が母親に会いに行くシーン。そこで母親が娘である大統領に自分が子供を産んだときの話をしますけれども、実は母親役のカルメン・マウラ自身が娘を産んだときの話をしてくれたんですね。それがこの映画の中の大統領に起こっていることと関係しているので、面白いと思って“大統領が会いに来たときに、その話をしてくれる?”ってお願いしたんです。でも、大統領役のオドレイ・フルーロには言っていなくて。だから、どういう反応を示すかなと思ったんですけれども、非常に意味が通じるものになっていたと思います」
「女性大統領が母親になったとき、人々はどのような反応をするか見てみたい」と思ったマリー監督は、女性大統領を作品に登場させた。