【作り方】
1:昆布だしを作る。昆布の表面を固く絞った布などで軽く拭き取る。鍋に10℃くらいにした水と昆布を入れ、ごく弱火にかける。このとき鍋に蓋はしない。
2:1時間ほどかけて、60~70℃くらいまで温度を上げたら、そのまま20~30分煮出し、昆布を取り出す。その後1度沸かす(沸かすことで昆布の臭みを揮発させる)。昆布だしのでき上がり。
3:筍は皮付きのまま糠で炊いて灰汁抜きしてから、昆布だし500ccに塩を加え根元に竹串がすっと入るまで煮て、そのまま冷まし味を含ませる。冷めたら煮汁は残し、筍は厚さ1㎝ほどのくし切りにしておく。
4:フライパンにニンニクオイル(分量外)をひき、3の筍を入れ、表面に軽く焦げ目が付くくらい焼く。
5:別の鍋に4とニンニクオイル、野菜ブイヨンと3で残した筍の煮汁180ccとニンニクチップ、鷹の爪を入れ、半分くらいの量になるまで煮詰め、塩で味を整える。ソースは鍋をゆすり、しっかり乳化させておく。
6:パスタを茹で、茹で上がったパスタを5のフライパンで和え、器に盛り付け、最後に木の芽を散らす。
著者は東京・小石川のイタリアンレストラン「シンプル リトル クチーナ」オーナーシェフ。料理は野菜が中心で、肉、卵、チーズ以外の乳製品を使いません。しかし肉好きが敬遠する「健康そうだけど物足りない料理」ではなく、肉好きをも満足させる充実した美味しさが特徴です。秘密は昆布だしをはじめとするだしの使い方にあります。かといって和風イタリアンではなく、「佐藤夢之介のイタリアン」としかいえない料理なのです。四季のレシピをお楽しみください。
佐藤夢之助(著)
定価:本体1,500円+税
撮影/西山 航