藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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お盆のお供え花をもっと素敵に、おしゃれに!
地域によってお盆の期間は異なりますが、お届けがいちばん多いのはやはり8月のこの時期です。今回、ご紹介するのは、東京にお住まいの娘さんたちから広島へ、初盆のお供えの花です。
初盆ということで、華やかな暖色系は使わず、白と緑に淡い紫を加えたアレンジを制作しました。
白と淡い紫はふんわりと優しい花形のリシアンサス。これだけだとありきたりなので、白に緑のストライプが入ったしゃれたランの、パフィオペディルム クレアドルーンをアクセントに加えました。「何、この花? すごくおしゃれ!」とご家族で話題にしていだたけるといいなと思います。ランが入ると個性的に、そして高級感も演出できます。
お供えしたときに、少しでも涼しげに感じていだたけるように、ヤマゴボウやガレギフォリアなどのグリーンもたっぷり加えました。
今回のフォトギャラリーでは、もう3点、初盆に贈るブーケを紹介しています。お供えの花だから、と仏花にこだわる必要はないと思います。夏の花贈りのシーンとして、素敵なアレンジを贈ってみてはいかがでしょう。
【使用花材】リシアンサス セレブリッチホワイト、N4-フリンジラベンダー、アンバーダブルモヒート
パフィオペディルム クレアドルーン
ガレギフォリア
ヤマゴボウ
キイチゴ ベビーハンズ
贈り花のヒント関西では初めて迎えるお盆のことを「初盆」といいますが、関東などでは「新盆」と書き、にいぼん、あらぼん、しんぼんなどといいます。地域によって時期も慣習も異なりますが、故人を偲ぶ気持ちは変わりません。その地域の慣習にならった贈り花をするよう、あらかじめ調べておくとよいでしょう。
おしゃれなお供え花の実例2~4は、下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』 2021年4月12日発売!
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。