パリのアーティストにみた、
“自分らしさにこだわる”お洒落のパワー
トレンド発信地として世界的に注目を集めるマレ地区は、おしゃれな人たちの宝庫。なかでも完全にただ者ではないオーラを放っていたのが、ミュージシャンのメロディさん。ちょっぴり気だるそうな話し方も、パリジェンヌらしい色気を感じさせて素敵でした。
パリ、大人のおしゃれの見本帳 06パリの街は、エリアごとに個性も豊か。エリアが変われば、お店の雰囲気も街行く人のファッションもガラリと変わります。
なかでもマレ地区は、おしゃれなブティックやギャラリーなどが密集するトレンド発信地で、パリジェンヌにとっても特別な場所。そのマレでも、際立つ存在感を放っていた女性がいました。
こちらのメロディさんは、知る人ぞ知るエレクトロポップバンド「ニキニキ」のボーカリスト。それを聞いて納得。ファッションに加え、ヘアスタイル、真っ赤なルージュ、そしてその美貌も相まって、なんだか放つオーラが道ゆく人と全く違っていました。
余談ですが、「ニキニキ」というこのバンド名を聞いていた、カメラマンとして横にいた我が夫が反応。「ニキニキのメンバーのピエールは、僕の小学校時代の親友だよ!」という言葉に、「うそでしょ!? ピエールは私の夫よ!」とメロディさん。そんな奇跡の遭遇でもありました。
世界各地で見つけたリング。バラバラなのに不思議なまとまりが“ザ・アーティスト”という雰囲気のメロディさんは、小物選びも独創的。
近年はワールドワイドに活躍していて、他国を訪れることも多いそうで、ロンドンやメキシコシティなど、各地で手に入れたという個性的なリングが手元を彩っていました。
ちなみに服を購入するのは、もっぱらヴィンテージショップだそうです。ロンドンのムードが好きという彼女は、ロンドンを訪れた際は必ずヴィンテージショップに足を運ぶのだとか。
ファッションも一期一会の出会いを大切にする彼女のアイテム選びが、唯一無二の個性を生み出す秘訣のようです。
スポーティバッグがコーディネートのアクセントにコート、リング、そしてバッグを、ネイビー&ブルートーンでまとめたコーディネート。それぞれのデザイン・素材感が存在感を放ち、メリハリ&インパクトのあるスタイルに仕上げています。
スポーティな斜めがけバッグで、重さのあるネイビーコートを軽快に見せているのもポイント。
ファッションのみならず、醸し出すアンニュイな雰囲気に、同性ながら惚れ惚れしてしまう、素敵な女性との出会いでした。
~MEMO~アクセサリーこそ個性を主張するデザインを!
次回は、ボーイッシュさがキュートな、パリジェンヌのカジュアルスタイルをご紹介。5月28日配信予定。
写真/Olivier Leroy
ルロワ 河島 裕子 / Hiroko Kawashima Leroy
ファッションライター。『家庭画報』をはじめ大人の女性に向けた雑誌で、ファッションやジュエリー、時計を中心に幅広く執筆。2018年より、家族とともに、拠点をフランス北部の田舎に移す。夢はワインの聖地・ブルゴーニュでB&Bを営むこと。行き当たりばったりのフランス移住エッセイ「
意外となんとかなる!? 40代のフランス移住」を同サイトで連載中。