シンプルフレンチで初夏のおもてなし最終回(全3回)木々の緑が日増しに鮮やかに目に映る初夏は、おもてなしに適した季節でもあります。フランスを中心に出張料理人として活躍し、数々のおもてなし料理を作ってきた狐野扶実子さんに、おもてなし料理の考え方、コースの組み立て方、初夏におすすめのコースのレシピを習います。今回はデザートとグリーンサラダをご紹介。
前回の「肉料理」のレシピはこちら>> 「ふんわりとした食感のクレームダンジュ。ソースには砂糖を入れず、フルーツの甘さを生かします」
締めくくりのデザートは、ふんわりとした食感に仕上げたクレームダンジュ。フランスの家庭で、またビストロで愛され続けるクラシックなレシピです。
「ボリューム感のある肉料理の後なので、胃に負担をかけない、さっぱりとしたデザートを選びました。音楽と同じく、料理のコースを考えるときは全体を見てメリハリ、強弱をつけることが大事。すべて手間と時間をかけた全力投球の料理ばかりが並ぶと、作る人も大変ですし、いただく人もくたびれてしまうかもしれません」と狐野さんは話します。
ソースはフルーツの自然の甘さを生かすため、ピュレ状にしたキウィフルーツに砂糖を加えず、そのまま添えました。
メイン料理とともに、あるいはメインの前に出すことの多いグリーンサラダですが、最近はコースの最後に、チーズとともに出すこともあります、と狐野さん。
健康は多くの人の関心事。豊富な栄養素や食物繊維を含む粉末のビール酵母をかけると、ゲストの体を気遣うとともに「この粉は何?」と、テーブルに話題を提供することにもなります。
【デザート】
クレームダンジュ
Crème d’Ange
【材料・4~6人分】
・卵白...2個分
・フロマージュブラン...200グラム
・グラニュー糖...50グラム
・生クリーム(乳脂肪分35~36パーセント)...150ml
・キウィフルーツの果肉...140グラム
・マスカット、ブルーベリーなどの好みのフルーツ...適量
・ミントの葉...適量
【作り方】
(1)卵白はグラニュー糖ひとつまみ(分量外)を加えて泡立て、メレンゲにする。小鍋に水大さじ2とグラニュー糖を入れ、火にかけて溶かし、110~120度まで加熱する。それをメレンゲに加えながらさらに泡立て、つやのあるメレンゲにする。
(2)生クリームは7分立てにし、泡立て器でなめらかにしたフロマージュブランと合わせる。(1)に加え、メレンゲの泡をつぶさないように丁寧に混ぜる。
(3)ココットなどに滅菌したガーゼを敷いて(2)を入れ、ガーゼで包み込むようにする。一晩水をきる。
(4)キウィフルーツの果肉をミキサーなどでピュレ状のソースにする。器に、ガーゼを外した(3)を盛り、縦に2~4等分したマスカットやブルーベリー、ミントの葉を添え、ソースをかけていただく。
※キウィフルーツは、種のない部分を使ったほうが、えぐみが出ない。酸味が強い場合は、グラニュー糖を同量の水で加熱したシロップを加えて甘さをたしてもよい。