3人での再会は久しぶりだった様子。会った瞬間から、ずっと笑顔の3人。とてもいい空気の中で本作が撮られたことがうかがえた。——撮影中のあのときあんなだったけど……、あのシーンのあれはどうしてたの?など、お互いに聞いてみたいことはありますか?松原:お料理してる?
蒼井:してます。彼(道彦/中村倫也)の実家のお店で作るオムレツができるようになったんです。とろとろの。
松原:(フライパンを)トントンでひっくり返すのが?
蒼井:そうです。
松原:すごい。
竹内:道彦は、意外とズルいキャラだったね。
蒼井:あれは悪いですよ~。
竹内:気を引くだけ引いておいて。お姉ちゃんとして悔しくなった。コノヤロウ!って(笑)。
松原:ホントよ。
蒼井:私も、ちょっとぉー!って思った。北村さんに。
竹内:理路整然と正論だけでぶった切る感じね(笑)。
蒼井:人間味! 義理人情(どこ行った)!!みたいな(笑)。
松原:じゃあ、(麻里は)どこを好きになったの?
竹内:やっぱり自分にない部分じゃないですかね?
松原:そこに惹かれて結婚したのね。
竹内:学者然としてる感じっていうんですか?
蒼井:チャラチャラしていないから、そこはいいですね。
竹内:そうね。浮気とかはしないんだろうなって。でも、ひどくない?って思ったのが、「(英語で)英語をしゃべってるよ、うちの妻は。I can’t speak englishって。わはははー」って笑ってるとき。
蒼井:わかる!
竹内:英語はわからないけど、気配は感じてもいいですよね? 今、私が悪く言われているってことには気づいていいですよね?って3回くらい確認しました。意味はわからないけど、何か自分のほうに言葉が向いてるなって感じる、あの居心地の悪さ。……いろいろ思い出してきた! 今日、(プレミア試写会の舞台挨拶で北村さんに)会うんだ。ちょっとチクチクしたいな(笑)。
蒼井:みんなで苦情入れましょう(笑)。
——最後に、これから映画をご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。竹内:難しいこと抜きに、温かいなって思ってもらえればうれしいです。
蒼井:多くの人の身に起こる可能性があるお話なので、今その最中の方がご覧になったときに、ちょっと視界が開ける作品になっていたらいいなと思いますし、そうじゃない方には今一度、家族っていうコミュニティについてポジティブな気持ちを受け取っていただけたらうれしいなと思います。
松原:私たちの世代には間近に迫ってるテーマのお話ですけれども、抱え込まないで誰でもいいから話す。一人だけで抱え込まないで、話せる機会を持つことが大切かなって今回思いましたね。そういうことができたから、曜子はいつも明るくいられたような気がします。娘たちと共有できたから。
蒼井:たしかに、そういうことのきっかけに、この映画はなるかもしれないですね。あ、ごめんなさい。コメント泥棒しちゃった(笑)。
松原:大丈夫(笑)。だからね、お話し合いが大切だと思います。
蒼井・竹内:はい!
蒼井 優/Yu Aoi 竹内結子/Yuko Takeuchi 松原智恵子/Chieko Matsubara
蒼井 優/Yu Aoi
俳優
1985年8月17日生まれ、福岡県出身。99年にミュージカル『アニー』で舞台デビュー。2001年には、『リリイ・シュシュのすべて』のヒロイン役で映画デビューを果たす。アニメーション映画などへの声の出演も多い。近年の主な映画出演作に、『彼女がその名を知らない鳥たち』、『斬、』などがある。『海獣の子供』(声の出演)、『宮本から君へ』、『ロマンスドール』、が公開待機中。
竹内結子/Yuko Takeuchi
俳優
1980年4月1日生まれ、埼玉県出身。96年に俳優デビュー。近年の出演作に、映画『旅猫リポート』、『コンフィデンスマンJP』、大河ドラマ『真田丸』、テレビドラマ『A LIFE〜愛しき人〜』、『イノセント・デイズ』、『スキャンダル弁護士 QUEEN』、配信ドラマ『ミス・シャーロック/Miss Sherlock』などがある。11月22日(金)より映画『決算!忠臣蔵』が公開予定。
松原智恵子/Chieko Matsubara
俳優
1945年1月6日生まれ、名古屋市出身。61年、高校在学中にデビューし、翌年には映画『明日に向って突っ走れ』でヒロイン役を務める。以降、数多くの作品に出演。吉永小百合、和泉雅子と共に日活三人娘と呼ばれ、日本映画の黄金期を支えた。近年の映画出演作は、『ゆずの葉ゆれて』、『君がまた走り出すとき』など。現在、放送中のドラマ『やすらぎの刻〜道』に出演する。
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