『大好きな町に用がある』
角田光代 著/スイッチ・パブリッシング 1600円20代前半にタイをバックパックで巡ったのを機に“旅に取り憑かれた”という角田光代さん。以来、世界各地へ旅を続けている角田さんが、好きな土地や町とどのようにかかわってきたかを記したエッセイ集。
1991年、まだ自家発電しかなく、夜、大木に無数の蛍が集まるという夢のような光景を見たタイのタオ島。おいしい料理を食べようと、多忙な仲間と現地集合したこともあり、本気で住むことを考えた香港。フルマラソンに参加するため、2泊で滞在したフランスのボルドー。
最初のひとり旅から約30年。歳月が、土地だけでなく自分自身も変えたことを冷静に見つめ、旅の醍醐味とは何か、土地との縁とはどのようなものかを伝える平易なことばが胸に落ちる。
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取材・構成・文/塚田恭子
「家庭画報」2019年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。