『森 瑤子の帽子』
島﨑今日子 著/幻冬舎 1700円1978年、『情事』で第2回すばる文学賞を受賞し、38歳で作家デビューした森 瑤子。
80年代前半、執筆の場を中間小説に移した頃から人気を不動のものとし、バブル期の日本を象徴するゴージャスでスノッブな流行作家として作品だけでなく、そのライフスタイルでファンを魅了した──そんな彼女が時代を追い風に、いかにして森 瑤子になり、森 瑤子として振舞い、小説を書いたのか。
ジェンダーをテーマに取材を続ける著者による、作家とバブル期の日本を描いた作品。名声と経済力を得ても満たされることなく、母と娘の葛藤、夫婦の確執、妻の自立、女性のセクシュアリティをテーマに書き続けた作家の複雑さ、多面性が浮かび上がる。
表示価格はすべて税抜きです。
取材・構成・文/塚田恭子
「家庭画報」2019年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。