かかりつけ医の見つけ方
●近所で探す住んでいる場所の自然環境や地域の特性、近所づきあいの様子など、健康にかかわる生活環境を把握できるので心強い。
●内科か総合診療科が最適全身を幅広くみることができ、こまごまとした健康メンテナンスが得意なので健康全般の相談窓口として最適。
●健康診断に対応する診療所定期健康診断を受ける診療所を選ぶのはよいアイディア。診断データの推移がわかり、変化にも気づきやすい。
●200床未満の中小病院も対象19床以下の診療所以外に、200床未満の中小病院もかかりつけ医の機能を持つ場合がある。病院に直接確認を。
生活上の出来事や変化を話すと適度な親密さが生まれる
また、かかりつけ医は、患者さんの健康に何らかの影響を及ぼしかねない生活や環境に気を配ることを自分の仕事ととらえ、積極的にかかわりたいと考えています。
たとえば食事、運動、睡眠、入浴といった日常の様子、家庭内や地域、職場での人間関係、手すりや階段、トイレや浴室など住環境にも興味を持ちますし、ジムに行っている、ウォーキングを始めた、などのセルフケア情報があれば患者さんと共有したいのも本心です。
ちなみに私は(かかりつけ医になることはありませんが)、頭痛の患者さんにかなりの時間を割いて布団や枕の話をすることがあります。薬に頼らなくても寝具の工夫で頭痛が治るケースが少なくないからです。
健康はライフイベントに大きく左右されます。子どもの巣立ち、夫の定年退職、親との死別など人生の節目となる出来事や、生活スタイルの変化などもぜひ知りたい情報です。
したがって、一見、症状と無関係に思われることを医師に質問されても不審に思わず、可能な範囲で答えていただけるとありがたい。患者さんも「こんな話は関係ないのではないか」と遠慮せず、生活上の変化や気がかりがあれば伝えてください。
それらは診療の役に立ちますし、このようなやりとりの積み重ねが医師との間に適度な距離感を生み、信頼関係を築くことにもつながります。
そして、相性のいい医師が見つかったら、ぜひ「私のかかりつけ医になっていただけますか」とお伝えください。
そのひと言によって関係性がより明確になり、医師も今の症状だけでなく、健康全般に気を配った、幅広く細やかなアドバイスをしやすくなります。