素敵な装いの「東をどり」のお客様
今回は暑い夏日ではありましたが、そんな気候さえ気にならなくなるほど涼やかな着こなしをしていた方々にお声がけし、装いのポイントを伺いました。
髙橋沙苗さん(写真左):柔らかで優しい薄桃色の小紋は高橋さんの雰囲気にぴったり。金彩の名古屋帯で少しだけフォーマルな装いに。「この時期は汗も気になるので洗えるきものが便利です」
花形佳澄さん(写真右):爽やかな薄いグリーンの御召に帯はこの時期を意識して青もみじと流水の柄を。「この帯は裏に桜と菊が描かれているんです。時期によって巻き方を変えて楽しんでいます」「東京吉兆」若女将 湯木博子さん:色のコントラストをつける着こなしがお好きという湯木さん。色無地のきものはお祖母様から、帯はお母様から譲られたもの。「普段はお客様より目立たないようにしています。今日は芸者さんたちのお披露目に華を添える気持ちでいつもよりおしゃれをしてきました。塩瀬にバラの刺繍の帯はこの時期にぴったりなので、東をどりで締めることが多いですね」荻野邦子さん(写真左):米沢の御召でお出かけの荻野さん。染め名古屋の帯にはつばめが描かれ涼やかな装い。帯は銀座結びで粋な着こなし。
織田園子さん(写真右):上品な黄色と紺の縞が入ったきものに染め帯で。「今日はとても暑かったので、ガラスの帯留めに目がいくよう、きものや帯は色も柄も抑え目に。竹かごのバッグでさらに軽やかさを出しました」芸者衆による踊りや唄、三味線や太鼓の音色、そして美味しい食事とお酒のひと時……。ほろ酔いのお客様の楽しそうな笑顔を見ていたら、大料亭へと様変わりした新橋演舞場には日本文化の入り口を見つけた方がたくさんいたように思えました。
そしてきものでいらっしゃった方々を拝見すると、主催者側は留袖や訪問着などフォーマルな装いが多く、お客様はフォーマルな装いから小紋・紬などおしゃれ着まで、皆さんご自身の“気分”を楽しんでいらっしゃいました! そしてお客様とお話しをさせていただくうちに「御召」を着ていらした方が何人もいらっしゃることに気がつきました。
そうです、以前ご紹介した
きものSalon編集部で「制服」と呼んでいる万能きものも御召でございます。あの取材以降、ずっと気になっている御召にここでまた再会です。
A子とE子、今回も多くの皆さまに出会い、楽しみながら勉強いたしました。来年の5月にはもっとスマートにきものを選び、ここ新橋演舞場にいることをお誓い申し上げます!
新人きものライターE子&A子の 「イチから始めるきもの道」
表示価格はすべて税込です。
撮影/伏見早織(世界文化社写真部) 構成・文/笹本絵里 中島敦子
※この連載で取り上げて欲しい、皆さんの「いまさら聞けない」きものの基本&疑問をぜひ お聞かせください! 件名「イチから始めるきもの道」と明記し、メールにてお寄せください。 E-mail:k-salon@sekaibunka.co.jp