藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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古希のお祝いの席を飾る贈り花
お孫さんからのオーダーで、お祖母さまの70歳の誕生日、古希を祝う席に花を届けました。70歳ではまだまだお若いと思いますが、長寿を祝うおめでたい席なので、高貴な印象になるよう紫をメインカラーに選びました。
鮮やかな赤紫に美しい模様が入るファレノプシス(コチョウラン)は珍しく、インパクトも大きいと思います。
ファレノプシスのすっきりした花形と対比させたくて、繊細なフリンジが入るリシアンサスの紫系を3種加えました。これでファレノプシスの蝶のような個性的な花形がより鮮明に印象づけられると思います。アレンジに動きをつけるのは、季節感も感じられるヤマゴボウ。これが加わると流れが生まれ、全体の表情が生き生きしてきます。
お祝いのテーブルに飾る花とお聞きしていたので、フローラルフォームを詰めた浅めのバスケットに低めに挿し、向かい側に座る方同士の視線を遮らないようにしています。
【使用花材】ファレノプシス ブラックレオパード
リシアンサス べっぴんさんラベンダー、NFラベンダー、ボヤージュブルー
ヤマゴボウ
テマリシモツケ ルテウス
ユーカリ
贈り花のヒント長寿のお祝いや誕生日などで家族が集う場合、ご自宅ではなく、レストランなどにお届けするケースが多くあります。その場合はあらかじめ、お店に許可をとっておく必要が。許可なく持参するとテーブルセッティングの邪魔になることもあるので気をつけましょう。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
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誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。