母であり、娘でもある。だから、わかることも多かった
実生活では息子を育てる母であり、富司純子さんの娘でもある寺島さん。だから、わかることも多かったとか。でも逆に、わからないことも。
「佳香さん自身のことはわからないですね。強烈だなと思いますし。うちの母も強烈ですけど、同業者だからこそぶつかり合うっていうところもあったんです。でも、芸能界に身を置かないお母さんは、娘が売れちゃったりするとどうなるんだろうと思いました」
実際に撮影現場では、「うちの母は週刊誌を鵜呑みにします」という声も聞かれたとか。対して、寺島さんは「うちの母だったら、信じませんから」。そこは同業者だからこそ。それでも、「母と私の関係は、使えるなっていう部分もけっこうありましたね」。
「使える部分」とは……? 例えば、映画『赤目四十八瀧心中未遂』。「嫁入り前の娘があんなシーンをやって、どうなるかわかってるわね?というようなことを言われました。なんとしてもやめさせようとしているなって、私にとっては脅しとか脅迫のように感じたんです。今は母の気持ちもよくわかりますが」と寺島さん。そこで寺島さんとお母さまとの戦いが始まるのですが、「そのときは、母にとって私が毒娘だったかもしれないし、『赤目〜』が失敗していたら、“あなたなんて所詮世間知らずで、お母さんの言うことを聞かないからそうなっちゃったのよ”みたいに言われてたかもしれませんね」。寺島さんいわく、母と娘は「残酷なぐらい、自分の言いたいことを言っちゃう」。そして、「理解しているからこそ、傷つけ合うもの」。
「母もやっぱりすごく干渉してきたんですよね」という寺島さんですが、「私自身が弓香だったかというと、そんな感じではないですね」。