「母は、どんなことがあっても子供は自分の子供で、何をしたって責任を取る。愛してるから。それは何にも勝ると思う」と寺島さん。このドラマの面白さは結論がないところにある
「私がついていないと」。足立さんは弓香として、佳香を演じる寺島さんにそう思わせました。寺島さんは佳香として、劇中で弓香を守るためにある人物と対決します。そのとき、「自然に、本当に殺してやりたいって思っちゃったんです。私しか娘を守る人がいないっていう、佳香の感情がグワッて降りた瞬間があって。母ってこうなんだろうな、自分の子供に対して心身を削っていくんだろうなって思ったんです」。
その後、佳香は弓香に言葉を贈りますが、寺島さんは「以前とは違う佳香。佳香の変化という気持ち」で演じたそうです。どう受け止めるかは視聴者に委ねられているものの、「対決したあとだったので、ものすごく清々しい気分だったんです」と寺島さん。そこから物語はラストへ。もう少し早く気づいていれば、と思わずにいられない方も多いのでは……。
「そういうものじゃないのかな。もっと話しておけばよかった、理解しあっておけばよかったって、みんな思うんですよね。毒親、毒娘って言葉にみんなが共感するのは、そういう家庭が多いということだから、このドラマがどんなふうに響くのか興味があります。でも、自由に観てください。これは、結論がないから面白いんですよ」
寺島しのぶ/Shinobu Terajima
俳優
1972年12月28日生まれ、京都市出身。映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍。2003年、『赤目四十八瀧心中未遂』と『ヴァイブレータ』で国内外の映画賞を多数受賞したほか、10年には『キャタピラー』で日本人として35年ぶりにベルリン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞。現在、大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺(ばなし)〜』に二階堂トクヨ役で出演中。
『連続ドラマW 湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー』原作:湊 かなえ『ポイズンドーター・ホーリーマザー』(光文社文庫刊)
監督:吉田康弘 滝本憲吾
脚本:清水友佳子 吉川菜美 藤澤浩和
出演:寺島しのぶ/足立梨花/清原果耶/中村ゆり/倉科カナ/伊藤 歩
7月6日(土)よりWOWOWプライムにてスタート(第1話無料放送) 毎週土曜夜10時〜(全6話)
公式サイト/
https://www.wowow.co.jp/dramaw/poison/
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