一色さんが「母譲りのきもの活用術」を実践!
そして今回のメインテーマともいえる「“母譲りのきもの活用術”を実際に検証してみよう!」がスタート。
目の前で検証される活用術に、皆さんも釘づけの様子。検証に使われたのは、古谷編集長の“母のタンス”にあった蝶の丸紋の大島紬。このきものを“今っぽく”着こなすにはどうすればよいのでしょうか?
一色さん「古いきものを今の時代に合うようにするには、“抜け感”が大事だと思います。そこで、ワントーンの帯を合わせることで引き算してみるのがおすすめ。
なかでも万能感のある“白地の帯”はとっても便利なんです。そして、今回は丸紋に合わせて朱色の帯揚げをアクセントにしつつ、帯留めをモダンなものにして軽さを出してみました。このように帯揚げと帯留めのどちらかに“外し”を入れることで、ぐっと軽さが出ますよ」
白帯はタイシルクの着尺を使って仕立ててもらったものだそう。一瞬できものの表情が変わりました。さらに、同じきものにオリエンタルな帯を合わせてみる一色さん。
母譲りのきものが次々と表情を変えます。一色さん「これは日本画家の山口蓬春先生の奥様から譲っていただいた古代更紗の帯なのですが、こういったオリエンタルなものをあえて合わせてみるのもいいですよね。“日本のエキゾチック”と“異国のエキゾチック”はとても相性が良くて、合わせることで今っぽさが出てくるんです。
そして、帯揚げは帯になじむものを、帯締めはすっきりさせると全体のバランスがとれます。帯揚げや帯締めはそこまで高くないので、色々と揃えておくとコーディネートが楽しくなると思いますよ!」
そして活用術の最後に一色さんが紹介してくれたのが、その名も「王様の帯」。
先ほどのきものと合わせてみてもぴったり! 帯を際立たせるため、同系色の帯揚げにし、きりっとした白の入った帯締めですっきりまとめました。一色さん「この帯は、父(※日本画家の大山忠作氏)が東南アジアへ取材旅行に行ったときにお土産で買ってきてくれた布を仕立てたものなのですが、50年以上前に『昔、その地の王様が祭祀や結婚式の時などに身に着けていたものらしい』と言っていたので、相当昔のものだと思います(笑)
金糸やスパンコールなどが施されていて、存在感たっぷり。長さが足りなかったので、パッチワークのように帯地に貼り合わせて仕立てました。この帯もとても合わせやすく、私の“万能帯”といえますね。」
皆さんに装いのポイントを教えてもらう場面も。素敵な着こなしを見た一色さんから「きものの素晴らしさを伝えるために、今日はできるだけ街を歩いてくださいね!」とチャーミングなリクエストも飛び出しました。