まずは「母のタンス」を整理すべし!
お母さまから譲られた、膨大な数のきものや帯を管理している一色さんですが、こんなにも上手にお母さまのタンスの中身を活用されている秘訣はどこにあるのでしょうか?
一色さん「そうですね、たくさんのきものや帯があるので、その全体像を把握するのはとても大切だと思います。なので私はジャンルやカテゴリーごとに分けて、そのすべてを写真に撮ってアルバムを作りました。いわゆる“きもの整理帖”ですね。数が数なので、すごーく大変でしたが(笑)、この整理帖を作ったことで買い足した方がいいアイテムも明確になりましたし、お直しをする優先順位なども決めやすくなりました。このひと手間をかけることで、きものライフはもっと充実すると思いますよ!」
古谷編集長「私も、やろうやろうと思っているのですが、なかなか手を付けられなくて…(苦笑) 一色さんを見習わなきゃ!」
実際の整理帖を見てみると、全体像はもちろん、柄や素材感の分かりやすいアップの画像も。この整理帖を見ているだけでも勉強になりそうです! 百貨店の呉服売り場は格好の“学びの場”!
トークショーが始まる前、ふたりで呉服フロアを見て回ったという一色さんと古谷編集長。終盤では、店頭で一色さんが一目ぼれしたゴージャスな帯や、古谷編集長がピックアップしたきものにどんな帯を合わせるかという談議に花が咲きました。
一色さんが一目ぼれしたのは、贅沢な光沢感で存在感たっぷりの紗の帯。三越の方も「さすがお目が高い!」と驚いた逸品です。「夏の大人きものにぴったり!」と古谷編集長が目をハートにしてピックアップしたのは夏大島。どんな帯が合うかなぁ、と楽しそうに一色さんとコーディネート中。そこで一色さんがチョイスしたのは、パープルのグラデーションが美しい博多帯。きりりとした雰囲気でありながら、華やかさも感じさせる大人のコーディネートです。
「柄の出し方で印象がかなり変わるのでお得な帯よ」と、嬉しい情報も。一色さん「私、百貨店の呉服売り場を美術館みたいに見て回るんです。それこそ、「いつもありがとうございます」なんて言われちゃうくらい(笑) だって、お手ごろなものから美術品級のものまで色々と揃っているし、きちんと値段も表示されているんですよ。見ているだけでもとっても勉強になるし、目を肥やすことができちゃうんです。皆さん、呉服売り場を歩かない手はありませんよ!(笑)」
なるほど、百貨店のきもの売り場は、「きもの道」を歩み始めた私たちにとってもまさにうってつけの場所なんですね!
トークショーのあとにはサイン会が。もちろん私たちも並んでサインをいただきました。今や私たちのバイブルです!今回、一色さんのトークショーで学んだきもの活用術は、どれもすぐに使いたいテクニックばかり!譲っていただいたままになっているきもので、すぐにでも試したいと思います。
〔活用術まとめ〕・母譲りのきものに足したいのは“抜け感”・ワントーンの帯、なかでも “白帯”は万能・“帯揚げ”か“帯留め”のどちらかで「外す」と軽さが出る・“和のエキゾチック”ד異国のエキゾチック” =相性◎!・自分が持っているものの全体像を把握しておく 最後に、恥ずかしながら当日のE子とA子の装いをご紹介!数少ない単衣の中から絞り出したコーディネートはいかがでしょうか?歴史あるエントランスのおかげで少しは絵になっている!かな…(笑)?
新人きものライターE子&A子の 「イチから始めるきもの道」
構成・文/笹本絵里 中島敦子
※この連載で取り上げて欲しい、皆さんの「いまさら聞けない」きものの基本&疑問をぜひ お聞かせください! 件名「イチから始めるきもの道」と明記し、メールにてお寄せください。 E-mail:k-salon@sekaibunka.co.jp