『往復書簡 無目的な思索の応答』
又吉直樹、武田砂鉄 著/朝日出版社 1500円のちに芥川賞を受賞し、大ベストセラーとなる以前、文芸誌に発表された直後に『火花』を読み、作品評を書いた武田砂鉄さん。
その評を目に留めた作者の又吉直樹さんが、武田さんにメールを送ったことを機に、新聞連載として始まった往復書簡が一冊の本になった。
『火花』について“しっかり届いた声はありましたか”という武田さんの問いから始まる往復書簡に通底するのは、大上段に構えることや、物事を安易に結論づけたり、意味づけることをよしとしない2人のスタンス。
一見、脈絡がないようで、連想から導かれる文章は、読者を思いがけない場所へと誘う。
書きながら考え、考えながら書く。そんな思索のプロセスが垣間見える。
表示価格はすべて税抜きです。
取材・構成・文/塚田恭子
『家庭画報』2019年7月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。