藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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お祖母さまの大好きなキキョウで初秋のアレンジ
今回もお孫さんから、お祖母さまへの敬老の日のギフトです。お祖母さまがキキョウが大好きなので、キキョウのアレンジを、というリクエストをいただきました。
秋の七草のひとつキキョウは、出回り期間が9月いっぱいと意外に短い花です。敬老の日の贈り花にぴったりの季節感をもたらしてくれます。花色は白もありますが、やはりキキョウらしさを感じさせるのは、透明感のある美しい青紫だと思います。
青紫のキキョウをより引き立てるために選んだのは、出回りが最盛期のリコリス。リコリスには、赤や濃淡ピンク、白など花色が豊富にあります。今回はキキョウの青紫を上品に引き立てる花色をと考え、優しいクリーム色の品種を選びました。ちなみに、今ちょうど花期を迎えているヒガンバナもリコリスの仲間です。
この品種は長いしべが特徴で、繊細な表情が魅力的です。すっきりした花形のキキョウと繊細なリコリス。異なる花形の2種を組み合わせることで、アレンジの印象が強くなります。さらに、個性的な花形のカラーを加え、より表情豊かに仕上げました。
【使用花材】キキョウ
リコリス エルジアエ
カラー ピカソ
ケイトウ シナモンペコ
テマリシモツケ ディアボロ
贈り花のヒントキキョウはつぼみで出荷されることが多く、そのつぼみもふっくらした五角形のかわいい形をしています。水揚げがあまりよくないので、茎を切り戻して水があがりやすくすると、つぼみもちゃんと開花します。季節を感じさせる花なので、出回り時期を逃さないように気をつけて、ぜひアレンジに利用してみてください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
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誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。