「夏のご馳走冷たい麺」第7回(最終回)暑い夏にいただきい、絶品の冷製麺のレシピを、気鋭のシェフ直伝のテクニックとともに、ご紹介します。手軽に作れるものから、パーティの主役になる豪華なひと皿まで、夏の食卓を彩る、見た目も涼やかなご馳走を、どうぞ召し上がれ。今回は野菜の持ち味を引き出したシンプルパスタをご紹介。
前回の記事はこちら>> 【イタリア料理】
野菜の持ち味を引き出したシンプルパスタ
教える人
小林秀徳(こばやし・ひでのり)さん/ビンゴ小田原の早川漁港から届く新鮮な魚介や天城軍鶏など、全国から集まる食材の持ち味を最大限に生かした料理は、時にシンプルに、時に意表をつく組み合わせで食通たちを唸らせます。今や、冷たいパスタの定番ともいえる“冷たいトマトのカペッリーニ”。
小林さんの料理の師匠が考案したひと皿にアレンジを加え、レシピをさらに吟味してオリジナルの味に仕上げたのが店のスペシャリテにもなっているトマトジュレの冷製パスタです。
具は一切なし。パスタとジュレのみの潔い一品なだけに、できればうまみの濃いフルーツトマトを使いたいところ。
1キロ余りのトマトからわずか600ccしか取れない贅沢なトマト水ですが、そのジュレは、見た目どおり透明感のある味わいで、歯切れのよいカペッリーニとからみます。
シークワーサーなど季節の柑橘を上から絞れば、爽やかな酸味とともに食も進みそうです。
たっぷりのキャビアが圧巻の冷製パスタは、ローストして甘みを凝縮させた玉ねぎのスープがベース。
野菜本来の持ち味を抽出することで生まれる新感覚の味わいが、小林流冷製パスタの魅力です。