『存在のない子供たち』
(c)2018MoozFilms中東の貧民窟。貧しい両親が出生届を出さなかったため自分の誕生日を知らず、身分を証明する手立てを何も持たない12歳のゼイン。
学校に通うこともできず、兄妹と路上で物売りをして暮らす彼は、11歳の妹を強制結婚させた両親を許せず、家を飛び出したものの......。
育てられないのになぜ産んだのか──無責任に自分を産んだ両親を告訴するゼインを通じて、少年少女が負わされた過酷な現実に目を向け、貧困の背後にある人種差別、教育の欠如の問題を伝えるラバキー監督の渾身の作。
『存在のない子供たち』
2018年 レバノン・フランス合作 125分
監督・脚本・出演/ナディーン・ラバキー 出演/ゼイン・アル=ラフィーア、ヨルダノス・シフェラウ
URL:
http://sonzai-movie.jp/2019年7月より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国順次公開 取材・構成・文/塚田恭子
『家庭画報』2019年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。