藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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紫が好きな女の子へのバースデープレゼント
透き通るように美しいラベンダー色のリシアンサスと、かわいらしいピンクのバラを合わせて誕生祝いの花を届けました。誕生日を迎えたのは4歳になる女の子。まだ4歳なのに「好きな色は紫」と聞き、その素敵なセンスに将来が楽しみになりました。
日本では幼い女の子の好きな色といえば、ピンクが定番。洋服やアクセサリー類もピンクを多く見ます。でも欧米では、ベビー用品に淡い紫がよく使われています。色白の赤ちゃんに淡い紫は、とてもよく似合うと思います。
アレンジのメインに選んだのはもちろん、ラベンダー色。それも、透明感のある美しいラベンダー色のリシアンサスです。花びらの縁に少し緑が入るかわいらしいピンクのバラと合わせました。さらに、みずみずしい緑色のアップルミントを多めに添えることで、4歳というフレッシュ感を表現しました。
紫が好きな4歳。どんな女の子だろうと想像しながらの制作は、自然に笑みが浮かんでくる楽しい時間です。ラベンダー色のギフト、気に入ってくれるといいな、といつもの贈り花以上に願っています。
【使用花材】リシアンサス NFラベンダー
バラ マロンフォレスト
クレマチス ミセスアヤメ
ケイトウ プティフルーツマーメイドピンク
ベニスモモ ファスティギアータ
紅葉ヒペリカム
アップルミント
贈り花のヒントシニアの方には落ち着いたシックな色、若い方にはビビッドで華やかな色…。花色を選ぶとき、お相手の年齢にとらわれてしまう方も多いようです。個人的には花色選びに年齢は関係ないと考えていますが、花をもらった方がどう感じるかが一番大切なので、その年齢に好まれる色使いを忘れないようにしています。ただ、どの年代の方でも自分が好きな色の花をもらうのがいちばんの喜び。毎年贈るバースデーギフトなら、好きな一色をメインに、組み合わせる花の色を替えて、新鮮なイメージにするのもおすすめです。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』 2021年4月12日発売!
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。