軽井沢で涼を楽しむ 第6回(全9回) 明治時代から避暑地として愛されてきた標高1000メートルの高原の町、軽井沢。北陸新幹線の開通で日本各地からアクセスしやすくなったことで、さらなる注目を集めています。軽井沢に魅了されたかたがたの素敵なライフスタイルを紹介しながら、この夏、涼を求めて訪れたいホテルやレストラン、愛犬とともに楽しめるスポットへご案内します。
前回の記事はこちら>> みずみずしい高原野菜に、豆類、川魚など、軽井沢の夏は、おいしい食材の宝箱です。また近年、軽井沢には新しいホテルが続々と誕生。緑陰が涼やかなレストランとホテルで、伝統ある避暑地の風格を感じるひとときをお楽しみください。
涼を感じる話題のホテル&レストラン
旧軽井沢キキョウ キュリオ・コレクション by ヒルトン
中庭を望む「コートヤードスイート」の一室。全50室の客室は、スタンダードな部屋でも40平方メートル以上の造り。旧軽井沢銀座通りから一本隣に入った別荘地区にあり、象徴的な存在として愛されてきた「旧軽井沢ホテル」。
その建物が、ヒルトンブランドの中でも土地ならではの魅力や趣向を取り入れた“キュリオ・コレクション”ブランドの日本初進出のホテルとしてリノベーションされ、2018年春オープン。軽井沢のロケーションと文化に根差した滞在を提案しています。
ホテルと軽井沢駅との間の送迎は、メルセデスベンツで。到着時間を事前に伝えておけば駅まで迎えに来てくれる。かつての旧軽井沢ホテルの趣を残しつつ、モダンなデザインの調度品を揃えたロビー。温かみのある空間で、宿泊客を迎える。客室は、間取りはそのままに、空間デザインや家具を一新。部屋からは、窓一面に広がる緑の木々が自然と目に入り、室内にいても澄んだ高原の空気に身をゆだねているかのよう。
中庭側の部屋はオレンジ、別荘側はブルーをアクセントカラーとして配色しています。
館内の随所に飾られた木彫りの桔梗の花のモチーフは、老舗・大坂屋家具店による軽井沢彫で、地元の伝統工芸の美を感じられます。
緑あふれる中庭に面したメインダイニング「ソノリテ」では、料理長・中西 隆(りゅう)さんによる新鮮なモダンフレンチが供されます。
「翠苔(すいたい)」と名づけられた前菜。詩的な料理名にも、中西シェフのセンスが光る。鮎がまるで苔を食べながら泳いでいるかのよう。天竜川の稚鮎を米粉をまぶして揚げ、日本酒を利かせたリエットと組み合わせるなど信州産の食材と意外な素材を大胆に掛け合わせつつ、繊細に表現した料理の数々。ここでしか得られない美食のひとときを堪能できます。
フランス産仔牛のロースト。なすとトマトのミルフィーユを添えて。 Information
旧軽井沢キキョウ キュリオ・コレクション by ヒルトン
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢491-5
- デラックスルーム1室2名利用で1泊2食付き1名3万8675円~、写真の「コートヤードスイート」は1室2名利用で1泊2食付き1名4万2280円~(いずれも税・サービス料別)。
表示価格はすべて税抜きです。
撮影/大泉省吾 取材・文/直江磨美
『家庭画報』2019年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。