藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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白寿のお祝いに秋の白いアレンジを贈る
お祖母さまの99歳の誕生日に贈る花です。白寿にちなみ、白い花でアレンジをしてみました。でも、白といってもただの白花ではないのですよ。
キラキラと輝くような白は、ダイヤモンドリリー。白にうっすらピンクが混じるのは、ネリネのフミリス。そしてよーく見てください! スズランの小さな花、わかりますか?
スズランといえば、自然に咲くのは4月〜5月。SNSで新潟県魚沼郡からスズランの出荷があることを見つけ「この時期にあり得ない!」と驚き、すぐに取り寄せました。届いてみると、確かにスズラン。とてもかわいらしい! 確認してみると、少量ながらこの時期に出荷があるそうで、とても貴重な季節はずれのスズランです。
ダイヤモンドの輝きと貴重な白いスズラン、そしてうっすら緑色がのる美しい白いリシアンサス。選りすぐりの白を集めたアレンジなら、特別な誕生日、白寿のお祝いにも最適だと思いました。
【使用花材】ダイヤモンドリリー
ネリネ フミリス
ドイツスズラン
リシアンサス レイナホワイト
ビバーナム スノーボール
ジャスミン フィオナサンライズ
テマリシモツケ ルテウス
贈り花のヒント白い花だけを集めると、どうしても寂しい印象になりがちです。そんなときは、リーフの色をぐっと明るめにしてみるのがおすめです。このアレンジで使用したテマリシモツケのルテウスやビバーナムのスノーボールは、黄緑色に近い葉色で、少し多めに加えるとみずみずしく華やかな印象になります。よく出回るミントの中ではアップルミントが明るい葉色なので、ぜひ利用してみてください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅から少し離れた段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。
広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道の進んだ異色の経歴。
店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。
制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。
月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。2018年6月に新著『季節の色合いを楽しむブーケ』(誠文堂新光社)を発刊。
https://www.fleurs-tremolo.com