きものダイアリー

中村歌昇さん、中村種之助さんご兄弟の勉強会「双蝶会」へ

2016.08.31

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今回の公演の演目は、「菅原伝授手習鑑」から「車引」と「寺子屋」。 「菅原伝授手習鑑」は、歌舞伎の三大狂言の一つ。現代でも学問の神様である天神様として信仰を集めている菅原道真と、その周囲の人々の間で繰り広げられる壮大なストーリーです。 

なかでも「車引」と「寺子屋」は、歌舞伎の人気演目として、それぞれがよく単体で上演されていますが、今回は続けて上演されることで、より物語性が深まるはずと期待が高まります。 

「車引」は、仕える主人の関係から敵味方に分かれてしまった三つ子の物語です。 種之助さん演じる梅王丸は、歌舞伎の"荒事"の典型的な役。 "筋隈"と呼ばれる赤い隈取が血管を誇張して若々しさや正義感を表現したものだ、ということがよくわかる、パワー溢れる舞台姿に圧倒されました。 対する歌昇さん演じる松王丸は、登場の瞬間から、腹の据わった大物感が漂いました。 兄弟の対決を実のご兄弟が演じる趣向も面白く、歌舞伎の様式美とともに楽しめる舞台でした。 


続いては「寺子屋」。 寺子屋の師匠をしながら、かつての主君、菅原道真の若君を育てている武部源蔵(種之助さん)と、若君の首を差し出せ、と検分に来る松王丸(歌昇さん)のお話です。

源蔵が若君の身替わりにと首を切って差し出した、寺小屋に入門したばかりの弟子は、実は菅原道真の味方をしていた松王丸の子だった...という、重く哀しい結末。 何しろ今回の公演の監修・指導をしている中村吉右衛門さんによる松王丸、歌昇さん&種之助さんご兄弟のお父様である中村又五郎さんによる源蔵での「寺子屋」は当代一ですから、すぐ近くに素晴らしいお手本がある一方で、お二人にとっては果てしない高みへの挑戦だったのではないでしょうか。 

身替わりであることが露見しないかと首実検を固唾をのんで見守る源蔵、我が子が笑って首を討たれたと聞き、利口な奴、健気な奴...と褒めるうちに感極まる松王丸。 丁寧に、心を込めて演じるお二人によるこのお芝居を、いつか歌舞伎座などの大劇場でまた観ることができる日が来るのが楽しみです。
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