ナチュラルガーデンで自然に咲くダリアは気高く美しい
蓼科高原 バラクラ イングリッシュ ガーデンは日本で初めての本格的な、英国式庭園として1990年にオープン。以来、英国園芸研究家のケイ山田さんは、この庭をより美しく魅力的にキープしていくことに力を注いでいます。ダリアを庭に取り入れることを決めたのもケイさん。じつは日本はダリアの育種では世界でもトップレベルにあり、バラエティ豊富な品種が手軽に入手できます。それを庭にいかさない手はない、と考えたのだそうです。花色、花形、花サイズ、そして草丈と、異なる品種をバランスよく配置したダリアボーダーは、華やかで気品があり、ローズガーデンの美しさとは異なる、賑やかで、ときに妖艶な魅力にあふれています。
東屋から眺めるダリア咲く小径はとてもロマンチック。
さて、ケイさんから教えていただいたダリアの品種選びのエピソードをご紹介しましょう。世界的にも有名なダリアの育種家、鷲沢幸治さんのダリアを求め、鷲沢さんが園長を務める秋田国際ダリア園を訪ねたときのこと。お客さまで賑わうエリアの先に、人のいない畑を見つけて行ってみると、庭で咲かせたいのと同じすてきな品種がたくさん咲いていたそうです。
庭に咲くダリアを集めてみるとこんなに豊富。しかもどれも個性的で美しい!
なぜ人がいないのか不思議に思ってスタッフに尋ねると、切り花生産に向かないという理由で捨てられてしまう品種群のエリアでした。ケイさんは鷲沢さんを説得し、そこで見つけた品種の球根を生産してもらいました。そのダリアに、鷲沢さんの依頼でケイさんが名前をつけたのだそうです。シックなチョコレート色の「ポンポンショコラ」、ふんわりした「キャンディフロス」など、ケイさんが名付け親となった品種は、今でもバラクラの庭を華やかに彩っています。
花径7〜10cmのポンポン咲きの「ポンポンショコラ」。
中大輪の「キャンディフロス」。
