『ゆうゆうヨシ子さん ローボ百歳の日々』
嵐山光三郎 著/中央公論新社 1600円『悪党芭蕉』『芭蕉という修羅』など、これまでにない芭蕉論を発表、自身も俳句を手がける嵐山光三郎さんと、60代で俳句を始め、84歳のときに句集『山茶花』を刊行した嵐山さんの母上・ヨシ子さん。
本書は句に詠み込まれたヨシ子さんの心情を察し、ゆるやかな同居を始め、俳句を通じて会話する母と子の日常を描いたエッセイ集。
仲間と吟行に足を運んでいた70代。夫のノブちゃんを亡くし、この先どうしましょうといっていた80代、第2句集『九十二』を刊行後、句を詠まなくなったヨシ子さんの脳の活性化のため、母子で二人句会を始めた90代。
“ヨシ子さんは俳句の念力によって生きている”という嵐山さんのことばが腑に落ちる。
表示価格はすべて税抜きです。
取材・構成・文/塚田恭子
『家庭画報』2019年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。