掃除機で知られる「ダイソン」が設立した組織、「ジェームズダイソン財団」。「未来のエンジニア育成」を目的とするこちらの財団では、女性エンジニアを含む次世代エンジニアの増加への貢献を目指し、エンジニアのための教育支援を行っています。このたび、「国際女性エンジニアデイ」にちなみ、女子中学生に向けたワークショップを行いました。
自分たちだけの手で、試作品を熱心に製作する女子生徒たち。エンジニアって何?中学生の女の子がエンジニアの仕事に挑戦
私たちの暮らしや社会におけるさまざまな問題を解決する、エンジニア(技術者)。それが素晴らしいキャリアであることを女性に広く伝えるために、イギリスにある「Women’s Engineering Society」(ウィメンズ・エンジニアリング・ソサイエティ)が、6月23日をエンジニアへの興味喚起の日として、「国際女性エンジニアデイ」に制定しています。
「国際女性エンジニアデイ」、ご存じですか?
この「国際女性エンジニアデイ」にちなみ、あるイベントが行われました。
集まったのは、東京都内の中学校に通う女の子たち35名。会場には、段ボールや家電製品のパーツなど、たくさんの材料が置いてあり、一体どんなことが始まるのだろうと、席に着いた彼女たちもそわそわ。
中学生の女の子たちが「エンジニア」を体験
まず、現役エンジニアたちのインタビュービデオを放映し、その後、来場した現役エンジニアによるスピーチが行われます。彼の仕事の説明を通して、エンジニアとは、暮らしや社会の中にある問題を“技術”によって解決する仕事であることが語られました。
その後、生徒たちは実際に「エンジニア」の仕事に挑戦。事前に、「学校生活における問題」を考えてきたうえで、数人ずつのグループに分かれ、問題を解決する試作品を製作しました。
熱く語り合う姿はエンジニアそのもの
ああでもないこうでもないと熱心に語り合い、どうすればよい試作品が作れるのかと、力を合わせて試行錯誤する姿は、まさに「エンジニア」そのもの。限られた時間の中で、生徒全員が一致団結して目標達成を目指します。
「エアコンの匂いが教室にこもらないよう、天井にサーキュレーターをつけて……」と、学校生活の不満を解決するアイディアが生徒たちから次々と出てくる。大人も驚く画期的なアイディアの数々
試作品ができ上がったところで、グループごとの発表へ。「ホワイトボードを消すときに、クリーナーのスポンジがすぐ外れてしまって掃除しにくい」という問題から、手袋型のクリーナーを発案したり、「教室にエアコンの匂いがこもりやすい」という不満を解決するために、空気の循環や床材の工夫に着眼したり……。大人も「なるほど!」と膝を打ちたくなる、画期的な着眼点やアイディアが次々飛び出しました。互いの発表を聞く生徒たちも、大盛り上がりです。
最後に、発表を聞いていたエンジニアによる優秀作品の発表・講評で、会が締めくくられました。参加した生徒たちからは、「理系に進むのも楽しそう」「試行錯誤してモノ作りをするのが面白かった。“当たり前”を変えるのはすごいこと、これからは違う視点で物事をとらえてみたい」との声があがり、生徒それぞれがエンジニアに対する理解や関心を深めることができました。