厳しい冬が作り出す透明感、天然氷の蔵元を訪ねて
創業明治23(1890)年。埼玉県長瀞にある天然氷の蔵元「阿左美冷蔵」が、自社の天然氷を使ったかき氷を本格的に手がけるようになったのは、今から25年ほど前のこと。
「渓流沿い、山あいにある氷池に天然水を張って、冬の自然な寒さで凍らせて作る天然氷。凍っていく間にも、不純物などが混じらないよう日々の手入れが欠かせません。
何より、その年の気候によって氷の出来も生産量も全く変わってきますからね。なかなかにスリリングな仕事です(笑)。
そうやって私たちが心を込めて育てた天然氷ですから、いちばんおいしく、ピュアな形で召し上がっていただきたくて」(寶登山道店店長・阿左美亮二さん)。
氷に添えられるのは、阿波和三盆糖を使った“秘伝みつ”や、生果汁のシロップなど、ナチュラルな風味ばかり。
天然氷のはかない味わいが口の中に広がります。
一番人気は「蔵元秘伝みつのかき氷」(1200円~)。白餡、あずき餡など3種からお好みの餡が選べる。阿左美冷蔵 金崎本店(埼玉)住所:埼玉県秩父郡皆野町金崎27-1
TEL:0494(62)1119(繁忙期不通)
営業時間:10時~16時30分(LO)(状況により早じまいあり)
定休日:木曜
かき氷通年
〔特集〕人気店で味わう、自宅で作る「極上のかき氷」(全4回)
撮影/久間昌史、角田 進 取材・文/井伊左千穂、西村晶子 構成・取材・文/露木朋子 取材協力/小池隆介、市場ゆりこ
『家庭画報』2019年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。