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患者・市民が立案段階から参画することで、よりよい医学研究へ

2019.08.16

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患者側からの研究者支援


活動内容は?——


〜患者支援団体が研究者に助成金を出し、疾患の研究を後押しする〜


医学研究への参画として、患者や市民による研究の助成も1つの方法といえるでしょう。海外、特に米国では患者支援団体による研究助成が活発に行われています。

日本でも2011年に設立された認定NPO法人「レット症候群支援機構」(https://npo-rett.jp)が研究助成を行っています。


レット症候群は女児だけに1万~1万5000人に1人の確率で起こる進行性の難病で、全身のさまざまな部位に症状が出ます。

代表理事の谷岡哲次さんは「2008年に生まれた長女がレット症候群と診断されたとき、子どもの代わりになれないなら、何か行動したいと思いました。当時、日本には研究者も少なく、正確な患者数すらわかりませんでした。すでに患者団体はあったのですが、治療法の開発を目的に絞った団体を立ち上げることにしました」と話します。

賛同者からの同機構への直接の送金のほか、チャリティバザー、募金型自動販売機の設置、社会貢献型フードシェアリングプラットフォームKURADASHI.jp(https://www.kuradashi.jp)の支援先に選ばれるなどで資金を集め、これまでに研究者10名に計1000万円を提供しました。

研究者とつながることでネットワークが世界に広がり、今では治療薬開発の最先端の情報を入手できるようになりました。

「海外では近いうちに遺伝子治療の治験が始まると聞いています。私たちが動くことで1つの薬でも日本で使えることができるようになれば」と谷岡さんは語ります。
取材・文/小島あゆみ イラスト/tokco〈LAIMAN〉(タイトル) にれいさちこ(本文)

『家庭画報』2019年8月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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