藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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今年初入荷のアネモネを使ってオープン祝いの贈り花
今年初めてのアネモネが届きました。アネモネはキンポウゲ科の秋植え球根で、庭で咲くのは春先です。ところが切り花ではちょうど今頃から出回り始めます。
雑貨ショップのオープン祝いの花の依頼を受けていたので、届いたばかりのアネモネを加えたアレンジを作りました。使ったのはミストラルというシリーズのパープルの品種です。
オープンのお祝いなので、華やかで上品なアレンジにしたく、ダリアやダイヤモンドリリー、クレマチスなどのピンクを集め、パープルのアネモネをアクセントに加えました。
ダリアとダイヤモンドリリーは秋が最盛期ですが、クレマチスは庭で咲くのは初夏から夏。春に咲くアネモネも加わり、切り花ならではの季節感ミックスになりました。庭でこれらの花が同時に咲くことはありませんが、切り花ではこんなに素敵な花合わせも可能です。そこが、切り花のアレンジのおもしろいところでもあります。
ふっくらした淡緑色の丸い実はフウセントウワタ(風船唐綿)です。ユニークな形が加わると、アレンジのおもしろみがさらに増します。晩秋になると袋が割れて、中から冠毛のついたタネが出てきます。
【使用花材】アネモネ ミストラル
ダリア ナマハゲビューティー
ダイヤモンドリリー
クレマチス ジョセフィーヌ、あやめの君
フウセントウワタ
メラレウカ
ユーカリ
フランボワーズ
贈り花のヒント秋に植えて春に咲く球根の花は、切り花ではアネモネだけでなく、チューリップやラナンキュラスもちょうど今頃から出回り始めます。
球根の花は形がユニークなものが多く、色のバリエーションも豊富に揃っています。季節の先取りも楽しく、「まだ秋なのにもう咲いてるの?」という意外性も贈り花にぴったりなので、花屋さんで見かけたら、ぜひ利用してみてください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
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誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。