藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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この時期にスズラン!サプライズの贈り花
新潟県の「JA十日町」からスズランが出荷されているのを見つけ、すぐにオーダーしました。
スズランの出回り時期は通常なら1月〜6月くらいなので、いま手に入るなんてびっくりです。届いたスズランは根付きの状態。カットによるダメージを避けるために、根付きで出荷されています。
茎も葉もしゃんとした鮮度抜群のスズランを使って、広島市の山あいにあるカフェ、通称「お山のカフェ」に、周年記念の花を届けました。
スズランはそのまま束ねても美しいのですが、アレンジに使うとかわいらしいベル状の花一つひとつがよく見え、存在感も増します。
スズランの白を生かすために、ほかの花色は加えず、優しい緑色のビバーナムと、ダスティーミラーやシルバーキャットなどのシルバーリーフのみにしてみました。
シンプルに、ナチュラルに。
スズランの魅力を生かすには、そんなアレンジがいちばん効果的だと思います。季節はずれのスズランですが、大好きなスズランに年内にもう一度出会えたことがとてもうれしくて、ワクワクしながらアレンジしました。
【使用花材】スズラン
ビバーナム スノーボール
ダスティーミラー
シルバーキャット
スノーフレークゼラニウム
フエイジョア
贈り花のヒントスズランは1月〜6月くらいが出回り時期で、特に5月1日前後には花屋さんに多く並びます。その理由は5月1日がズスランの日だから。元々はフランスの風習で、5月1日にスズランを贈ると、贈られた方に幸福が訪れるという言い伝えがあるそうです。
今回のスズランは時期はずれでごくわずかの出荷だったので、お店ではなかなかみ見つからないと思いますが、来年の春から初夏には、ぜひスズランを贈り花にしてみてください。清楚なかわいらしさはどの年代の方にも喜ばれると思います。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』 2021年4月12日発売!
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