今年1月~2月オンエアのNHK土曜ドラマ『みかづき』では、エネルギッシュなカリスマ塾経営者を好演した。――作品のつくりとしては、ノラと家人それぞれの1対1の対話を繋ぐ形、いわば2人芝居を積み重ねるような構成になっていますね。「そうなんです。私は出ずっぱりなので、頑張らないと(笑)。それぞれに立場も言い分も違うので、見応えはあると思います。娘との場面では、成長した子ども達との対面に怯えているノラがいたり、やっぱり子どもには勝てないなあと思わせるやりとりがあったり。夫と対峙する場面では、観ているうちに自分のこととリンクしてドキッとする方もいるんじゃないかなと想像しています。いくつものことを乗り越えて自分で生きてきたノラの15年の人生や、その中で生まれた考え方が見えるような吐露もあるので、そこも楽しみにしていただけたらと思います」
――自立のために家を出たノラの生き方をどう思われますか?「難しい問題ですけど……きっと彼女は“家族であっても、それぞれが自分の人生を持った個人”という考え方に至ったんでしょうね。もちろん、子ども達はどうなるんだろう?という思いもよぎったとは思うんですが、それでも“家に縛られて人の意見で動く自分の未来ってどうなんだろう? やっぱり自分の人生を生きたい”と考えたんだろうなと」
――そんなノラを否定する気持ちはあるのでしょうか?「否定はできないです。私の人生ではないし。ただ、どちらかと言うと、人生はそれぞれ、その人個人のものだと思っています。ノラが家を出たことで家族や本人が大変な状況になったとしても、そこからどうするかはその人次第。幼い子どもにとっては難しいことでしょうけれど、でも、困難に潰れてしまうのも、それを人生をリメイクするチャンスに変えるのも自分。何かが起こってしまったときに誰かのせいにしたりせず、潰れない自分を作っていくことが大事なのかなと思います」