「むしろ、これからが勝負。頑張りどころだと感じています」
そんな鈴木さんにとって、舞台は「自分が刃物だとしたら、砥石みたいな存在」という。
「折を見て、しっかり研ぎ直してもらったり、前よりもっと切れるようにシャープにしてもらえる場かなと。お客さんに自分の芝居を直接観てもらえるところも好きですね」
演じる際に大切にしているのは、常に影響を受けること。「小手先に頼ることなく、状況や相手の言葉や感情によって、その都度ちゃんと心が動く役者でありたいです。とはいえ、小手先も持ってはいたいですけど(笑)」。
現在、36歳。夢だった映画出演どころか、いまや大河ドラマの主演俳優だが、「まだ全然夢の途中です。自分が一人前の俳優になったとも思っていないので、毎回、反省することばかりですし」と謙虚だ。
「大河での経験を生かして、今後もっといいお芝居をどうやっていけるか。むしろ、これからが勝負。頑張りどころだと感じています」というから頼もしい。今回の舞台にも期待は高まる。
「僕が俳優になれた幸せをいちばん感じるのは、相手役の人と“俺たち今、完全にそこに(役として)生きてたよね”と感じ合えたときなんですね。今回は小学生同士ですけど(笑)、竜也くんとそういう瞬間を味わえたら嬉しいです。
一見コメディですが、単に面白おかしいものには絶対にならないはず。小学生の話だと思って来たら、すごいもの観ちゃった!といわれるような作品にしたいですね。そうじゃないと、竜也くんと僕がやる意味がないと思うので、一生懸命頑張ります!」
鈴木亮平/Ryohei Suzuki
1983年、兵庫県出身。2006年に俳優デビュー。2014年のNHK連続テレビ小説『花子とアン』で注目を集め、以降、映画、テレビドラマ、舞台などで幅広く活躍。出演映画『ひとよ 一夜』が2019年11月、『燃えよ剣』が2020年に公開予定。
表示価格はすべて税込みです。
取材・構成・文/岡﨑 香 撮影/寺澤太郎ヘア&メイク/森泉謙治〈THE GLOBES〉スタイリング/八木啓紀
『家庭画報』2019年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。