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いつ始めても遅すぎることはない!ニコチン依存症を治療し卒煙に導く「禁煙外来」〈後編〉

2019.08.26

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知っておきたい! 頼りになる専門外来 治療を続けているのによくならない、今の治療効果に満足していない――。このような悩みを抱える人は少なくありません。こんなときに頼りになるのが「専門外来」です。一般外来ではなかなか受けられない個別性の高い治療が期待できます。今回は「禁煙外来」の後編をお送りします。前編はこちら>>
舘野博喜(たての・ひろき)先生

慶應義塾大学病院 呼吸器内科 非常勤講師
舘野博喜(たての・ひろき)先生

さいたま市立病院内科科長。1994年、慶應義塾大学医学部卒業。同内科学教室入局。2003年~07年まで米国Brigham andWomen’s Hospitalなどの研究員として従事。08年より現職。現在、慶應義塾大学病院とさいたま市立病院の2病院で禁煙外来を担当。日本禁煙科学会認定上級支援医・評議員、日本呼吸器学会指導医・禁煙推進委員会委員。ベンチャー企業と共同で禁煙治療用スマホアプリを開発。カウンセリング、禁煙補助薬に次ぐ第3の禁煙治療ツールとして保険診療での普及を目指す。

次の診療までの間、一人で誘惑と闘う患者のために治療用アプリを共同開発



ニコチン依存症には、喫煙を肯定しようとする「心理的依存」という要素もあります。この依存が残ると治療しても元に戻ることが多いため、舘野先生は治療の初期段階から対処します。

「喫煙を正当化するような言葉を発したときは要注意です。一本でも吸うと喫煙生活に逆戻りしてしまうため、どのようなときにたばこが吸いたくなるのかなどを丁寧に聞き取り、心がたばこから解放されるようにその人が実践できる対策をともに考えます」。

しかし、診察で時間をかけて対応しても、患者は次の受診までの数週間1人でたばこの誘惑と闘わなければなりません。

そこで、舘野先生はこの治療の空白期間をサポートするための禁煙治療用アプリをベンチャー企業のキュア・アップ社と共同開発しました。

「診療ガイドラインに基づき、禁煙支援医が監修した本邦初のアプリです。このアプリを使って禁煙した人は非使用者に比べて禁煙達成率が13パーセント高い治験結果となり、その効果は飲み薬に匹敵します」。

舘野先生たちは、この禁煙治療用アプリが臨床で処方できるよう医療機器承認を目指しています。
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