現在、連続ドラマ『偽装不倫』(日本テレビ系)に出演中。――物語は、和久井さん扮する郁子が営むカフェに、西田さん扮する地味で無口なさつきと、羽田さん扮する作家の圭が集まるところから始まります。最初こそ昔話に花を咲かせる3人ですが、いつしか険悪なムードが流れ始める。大人のほろ苦コメディになるとか。「僕は今年、47歳になるんですね。10代、20代の青い恋は終わり、成熟して自由に行動できてお金にも余裕がある独身時代も終わり、今、子育てをして老いていく親と暮らしながら、将来の自分を見るような気持ちで時間を重ねている。そういう状況に閉塞感や息苦しさを感じている人っていると思うんです。そういう方に観ていただいて、ちょっとニコッとしてもらえたり、クスッとしてもらえたり、人生って悪くないなって思ってもらえるような作品になったらと思っています」
――40代半ばというのは、終わりに向かって人生を収束させていくには早いですが、かといって、ここから新しい世界に踏み出すには勇気がいる難しい年齢だと思います。「ここから人生の一発逆転を夢見る年齢ではないですよね。ただ、気の持ちようというのは無責任かもしれないけれど、上を見て今の自分を悲観するより、周りと比べることをやめて、ここからどう楽しく生きるかを考えた方がずっといい。今の状況を変えられなくても、その中でどういう心持ちで過ごすかのヒントは、この作品の中にあるのかなと思っています」
――谷原さんの役は、どういったものになるんでしょうか。「どこまで話していいんでしょう?(笑) お話しできる範囲でいうと、3人の同級生の女性たちの間に、僕がストレンジャーのように登場して、そこで新たな男女を超えた人間関係が見えてくるのかな、といったところでしょうか。ただ正直、今はプロットの段階で、まだどういう男なのか自分でも掴みきれていないんです。単にラテン気質の能天気な男なのか、バガボンド(流れ者)なのか、ドン・ファンなのか……。ただ、岡田さんは、登場するキャラクターにとても愛情を注いで描かれる方という印象があるんです。だから僕の役も、ダメ男だけれど、愛すべき人間になるんじゃないかと思っています」