いまや、クイズ番組『パネルクイズ アタック25』の第3代総合司会者としてもおなじみだ。――谷原さんというと、誠実なイメージがあるだけに、ダメ男の役というのが意外です。「確かに、こういう愛嬌はあるけれど、ちょっとだらしがないところがある役っていうのは、これまであまりやったことがないんですよね。それだけに、とても興味が惹かれますし、演じるのが楽しみではあります。これまで……自分で言うと気持ち悪いですが(笑)、わりと爽やかで誠実な人の役をいただくことが多かったんです。それはとてもありがたいことではありますが、そのパブリックイメージに自分自身が囚われているようなところがあるんですね。例えば、高田純次さんって、ダンディな中に、いい加減さと大人の余裕と遊びがあってカッコいいじゃないですか。そういう余裕みたいなものを勉強できたらと思っています」
――共演する3人の女優さんについても伺えますか。「映見ちゃんとは夫婦役で、羽田さんとは不倫関係の役で、尚美ちゃんとは恋愛関係ではないですが、それぞれに共演したことがあるんです。映見ちゃんは芯がすごく強くて、撮影現場でも無駄話をせず、じーっとエネルギーを溜め込んで、本番に爆発させるタイプ。尚美ちゃんは真面目で誠実な方。羽田さんは底抜けに明るくて、底抜けに柔らかい。とてもバランスのいい3人だと思います。今回は大人の座組ですし、出演者も少ないので、稽古場では濃密な時間を過ごせそうな気がしています」
――映像作品でも活躍されている谷原さんにとって、舞台とはどういう場所なんでしょうか。「栄養をくれる場所です。お芝居っていうのは、いくら突き詰めても終わりのない、曖昧模糊としたものです。ただ舞台の場合、同じ芝居を1か月近く稽古して本番に臨んでも、毎回のように新しい発見があって、お芝居にはいろんな正解があるんだなって思わせてくれる。そのことが、すごく自分に栄養をくれるんですよね。映像の現場は、瞬時に答えを出していくことが求められる場。それを助けてくれるのが経験だと思うのですが、舞台はその引き出しを作って、肥やしをくれます」