3.フーケッツ
シャンゼリゼ大通りとジョルジュ・サンク通りの角に張り出した「フーケッツ」のテラス。不死鳥のように甦ったシャンゼリゼの老舗カフェ
2018年秋に「黄色いベスト運動」と呼ばれるデモが始まり、2019年3月16日には暴徒化したデモ隊が、シャンゼリゼのシンボル的存在である名物カフェ「フーケッツ」を襲撃。ショッキングなその様子が報道されました。
以来閉店していた「フーケッツ」ですが、4か月の工事を経て、7月14日のパリ祭の日に、復活オープンを遂げることができたのです。
フランス映画のスターたちのポートレート写真が壁を飾る店内。アール・ヌーヴォーの優雅さが漂う店内
1899年に創業したこちらは、アール・ヌーヴォー様式の装飾が特色で、優雅な雰囲気が漂います。セザール賞の授賞式のディナーが開かれるなど、映画界の人々が集う場所として、また世界中の観光客が、パリ観光の際に一度は訪れる名所として、シャンゼリゼの象徴として君臨してきました。
テラスに沿ったガラス窓の内側にずらりと並ぶ、白いクロスのかかったテーブルが壮観。メニューを監修するのはピエール・ガニェール氏
1998年にフランスのカジノ王、バリエールグループの傘下に入り、2017年には大改装を経て、ジャック・ガルシアによるインテリア、世界的シェフであるピエール・ガニェールによるブラッスリーメニューで生まれ変わったばかりでした。
ですから、襲撃後の今回の大工事では、インテリアのコンセプトなどは変えず、事件の前と同じ姿を再現し、メニューも同じものでの再出発です。
「海老のリングイネ、ビスクソース」36€。©︎Alban Couturierテラスでも店内でも。席ごとに異なる楽しみ方ができる
シャンゼリゼ通りに面した屋外のテラス席で、シャンゼリゼの空気を満喫するもよし、ガラスを1枚挟んだテラス席の内側から、行き交う人をのんびり眺めるもよし。ジャック・ガルシアによる重厚なインテリアに囲まれて、あちこちに飾られた、フランス映画スターのモノクロのポートレートを眺めながら、優雅な雰囲気にひたって食事を楽しむのもよいでしょう。
シャンゼリゼを行き交う人々を眺めながら、食事ができる特等席。早めのディナーができる貴重な店
朝7時30分からの朝食・カフェタイム、12時からのランチタイム、続いて夕方5時からのディナータイムと、フランスとしては異例の、早めのディナーも可能なのは、シャンゼリゼならではの営業スタイルです。
「オマール海老とフレッシュハーブ」。©︎Alban Couturier昔ながらのメニューとモダンなメニューが両立
タルタルステーキやオニオングラタンスープなどの、昔ながらのブラッスリーらしいメニューが揃う一方で、ガニェールが手がけた、ライトで季節感のあるモダンなフレンチも楽しめます。
大型店ならではの、様々な楽しみ方を選べるこの老舗カフェは、「たゆたえども沈まず」というパリ市の標語のように、災難から不死鳥のように甦り、パリの人々の心を楽しませ続けています。
Fouquet’s Paris
99 avenue des Champs-Elysées, 75008 Paris
電話 +33 (0) 1 40 69 60 50
営業時間 7時30分〜翌1時(23時30分)
定休日 なし
https://www.hotelsbarriere.com/fr/paris/le-fouquets/restaurants-et-bars/fouquets.html