ペトラさんはブリュック、ヴィルカラ夫妻の長男サミさんの長女。
初孫ゆえに2人にとって “目に入れても痛くない”存在だったようで、
「本当にたくさんの楽しい時間を一緒に過ごしました。ボートに乗って釣りをしたり、焚き火でマッカラ(ソーセージ)を焼いて食べたり......。でも今振り返ると、やっぱりアーティストだったな、と思います。
祖母は散歩をしていても、何かがひらめくとすぐにメモを取っていました。目に入る空の色、植物の色、苔の色......。常にインスピレーションを求めていたのでしょう。なぜかいつも薬の処方箋の裏にメモをしていたのですが(笑)」。
朗らかに語るペトラさん。家庭人でもあったブリュックの素顔を語るエピソードにも、彼女の優れた色彩感覚と、作品に漂う大らかで温かなものが感じられました。
ペトラさんが4歳のときに祖父から贈られた小刀。ちょっとした道具を作るとき、料理をするときなど、さまざまな場面で小刀が使われ、フィンランド人の暮らしには欠かせないアイテム。ペトラさんと祖父母の思い出の写真。小刀をもらった当時のものも。偉大なアーティストも、孫と過ごすときはごく普通の優しいおじいちゃん、おばあちゃん。