冷茶をワイングラスに注ぐと、豊かな香りが広がる。グラスは、白ワイングラスがおすすめ。チョコレートやドライフルーツとのペアリングも楽しんで。個性際立つ「シングルオリジン」の茶葉を楽しむ
──表参道 茶茶の間(東京・表参道)
日本茶カフェ「茶茶の間」店主の和多田さんは、シングルオリジンの茶葉を広めたパイオニア的存在。温・冷まじえて、煎を重ねて変化する茶葉の味や香りの楽しみ方を教えてくれる日本茶教室も開催。氷や熱湯、茶器などのツールを用意して順に淹れる。日本茶における“シングルオリジン”という言葉をご存じでしょうか。表参道に店を構える日本茶ソムリエ・和多田 喜さんによると、単一農園によって作られた単一品種の茶葉を指し、いくつかの農園の茶葉を混合した一般的な茶葉とは正反対の考え方で作られたものだそう。
一般的な茶葉は常に均一な味にするため、あえて茶葉の個性を出しませんが、1つの農園の1つの品種であるシングルオリジンは明確に個性が表れます。
栽培から製茶まで1つの目標を持ったお茶作りをすることができるため、また、同じ品種でも製茶方法や生産環境で味わいや香りが変わるため、茶葉ごとに味わいが異なるのも魅力です。
シングルオリジン出現の背景は「日本茶に転換期が訪れ、茶葉を選ぶ時代がきたから」と和多田さん。高度成長期に製茶機械が改良され、製茶技術も向上し茶葉が劇的においしくなった一方で、日本茶の茶葉の流通量は減少しています。
そこで生産者の努力によりさまざまなお茶の味わいが生まれ、良質なシングルオリジンが注目されるようになりました。