茶葉の状態を見極めながら温・冷の三煎を淹れる──茶茶の間
一般的な茶葉は一煎、二煎と淹れ続けると色や味がだんだん薄くなりますが、茶葉が持つ味わいそのものは変わりません。一方シングルオリジンの茶葉は、正しい手順で淹れると、一煎から三煎まで、香りと味わいが驚くほど変わります。
この変化こそ、茶葉本来のポテンシャルと優れた製茶技術によるもの。「茶茶の間」では和多田さんらスタッフがお茶を淹れてくれますが、特別に家庭でも実践できるシングルオリジンの淹れ方のコツを教えていただきました。使用した茶葉はオリジナルの静岡産新茶「青い鳥」です。
店舗ではシングルオリジンの茶葉を常時20種以上販売。手摘みの新茶「青い鳥」(50グラム3600円)は、カフェでは四煎淹れて提供している。茶葉の味わいと香りを引き出すために大切なことは、茶葉が開いていく変化を見ることだそうです。これは飲み頃を見極めるためだけでなく、茶葉の美しさにも注目してほしいから。
茶葉は水分を含むと葉の中の空気が出てきてキラキラと輝き、つやや色がどんどん変わっていきます。優れた製茶加工が行われた茶葉は開いていく様が実に美しく、良質なお茶を楽しむ醍醐味ともいえます。
愛でて、香って、味わって、五感を刺激されるシングルオリジン体験をぜひお楽しみください。
基本のポイント
茶葉と水の量を正確に量る茶葉によって、かさと実際の質量が大きく異なります。慣れるまでは0.1グラムまで量れるスケールを使い、水や湯も量りましょう。
使用する茶器は目指す温度に湯飲み、グラスはあらかじめ氷水や熱湯で最適な温度にしておきましょう。
蓋はせず、茶葉の開き方を確認茶葉の開き具合をよく見て飲み頃を判断するため、急須に蓋はしません。どうしても冷ましたくないときは蓋を使い、注いだ後、蒸れないようにずらしておきます。
急須を揺らさずに注ぐ水や湯を注いだら、急須を揺らさないよう注意します。揺らすと苦みが出てしまいます。注ぐ際も、最後の一滴を出そうと無理に急須を振るのではなく、自然と垂れるのを待ちます。
セカンドポットで味見する味が心配なときは、セカンドポットに移して味を見ます。薄い場合は急須に戻し、熱い場合は水を足して調整を。セカンドポットとは急須とは別のポットを指し、耐熱ガラスのピッチャーがおすすめです。