――ご実家でも、よく料理をされていたとか。「そうですね。親が共働きだったこともあって、子どもの頃から休みの日は、姉と兄と一緒に家事をやるようにしていました。姉の担当は掃除で、兄は洗濯。いちばん下の僕がなんで料理担当になったのかわからないんですが(笑)、たぶん好きだったんでしょうね。小学校低学年の頃から、よく台所でおかんの隣に立って、野菜を切らせてもらったり、一緒に味噌汁を作ったり……。おかげで18歳で上京して一人暮らしを始めたときも、あまり家事には困りませんでした。洗濯も家にいる頃からやっていましたし」
――素晴らしいです。体を整えているのは、次の舞台『怪人と探偵』に向けてですか?「それもありつつ、来年まで続く舞台を見越した体のベース作りです。食事の量を管理して、今のうちに無駄な肉を落としてベースをしっかり作っておけば、そこから筋肉を増やす、減らすということが結構簡単にできるので」
――確かに、年末には『ファントム』、来年には『フランケンシュタイン』とミュージカルが立て続けに控えています。今月開幕の『怪人と探偵』の稽古は順調ですか?「実はちょっと緊張しています(笑)。僕、ミュージカルは去年の10月にやった『タイタニック』以来で、結構久々なんですよ。しかも今回は、江戸川乱歩の作品世界をミュージカル化した新作オリジナル。こういう作品自体、なかなか経験できないことですし、ミュージカルで日本人の役をやること自体、いつぶりなんだろう?という感じです」
――昭和34年の東京を舞台に、大怪盗・怪人二十面相と名探偵・明智小五郎が“世界でいちばんきれいな宝石”をめぐって、華麗な対決を繰り広げる物語とか?「謎解きあり、トリックあり、大掛かりな仕掛けありのエンターテインメントな作品になっています。楽曲もまさに江戸川乱歩の世界という感じで、どこかレトロで懐かしかったり、とてもメロディアスな曲があったり。衣装もレトロモダンで、しかも一人ひとり“癖がすごいんじゃ”と言いたくなるくらい(笑)、本当に個性的なキャラクターがたくさん出てくるんです」