自分は、完成を一番楽しみにしている観客
多くが映像化されている湊さんの作品。映像化にあたっては脚本を読み、「こういうセリフはいわないだろうなと思う場面があったらいわせてもらいます」と湊さん。でも、それは滅多にないそうで、「今回はこんなふうに作ってもらったんだとか思いながら、お客さんとして楽しんでいるほうが大きくて。完成を一番楽しみにしている観客です(笑)」。
今作に関しては「娘と母親、息子と父親の話ですけど、小説を書くときは対になる作品にしようと考えたわけではなくて。男女男女で主人公がおければいいなとか、島にずっといる人、出たいけれども出られない人……っていろいろなパターンができたらいいなと思った中の2作。リンクもさせていなかったんですけど、同じ島が舞台で年齢が近いと共通の体験があったりしますよね。そういうリンクがすごくいい感じにできていてよかったなと思います」。 湊かなえ/Kanae Minato
作家
1973年、広島県因島市(現・尾道市)生まれ。2007年に「聖職者」で第29回小説推理新人賞を受賞。同作を収録したデビュー作『告白』が翌年に刊行され、09年の第6回本屋大賞を受賞した。主な作品に『少女』、『贖罪』、『Nのために』、『母性』、『リバース』、『山猫珈琲』など。ドラマ化・映画化・コミック化された作品も多数。
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『望郷』原作/湊かなえ「夢の国」「光の航路」(文春文庫刊『望郷』所収)監督/菊地健雄 脚本/杉原憲明出演/貫地谷しほり、大東駿介、木村多江、緒形直人ほか主題歌/moumoon「光の影」(avex trax)9月16日(土)新宿武蔵野館ほか全国拡大上映制作・配給/エイベックス・デジタル 公式サイト/http://bokyo.jp