疑問に感じたことは「疑問です」といえる人間
「どの業界にも、暗黙のルール的なものがあると思うんです。誰が決めたかわからないし、誰も説明しない、説明できない当たり前ではなかったはずのルールが。それに染まる前の状態が川島で、疑問に思ったことを“疑問です”と素直に聞く。その勇気を持った若者には希望があると僕は思っているし、観客のみなさんもそこに希望を感じてほしいなと思っています。川島みたいな人間がいるから、大先輩の重盛や摂津(吉田鋼太郎)も気づくことがたくさんあるんですよ」 川島の存在が重盛たちに気づかせること。それは、今は疑問に感じない、でも法曹界に飛び込んだときには抱いていた疑問。原点です。 「なぜそうなっているのかをちゃんと知りたいっていう気持ちは僕にもあるし、川島の中にもそれが生まれてくればいいなと思って演じていました。そうすると、一人でなんでもできるはずの重盛が、なぜ川島を事務所に置いているのかも伝わると思って。僕も福山さんが見てきていない世界を福山さんに伝えたいし、福山さんが見てきた世界を僕は誰よりも聞きたいし、今回の作品では本当に細かいところまで見ていようと思っていたし……。いいポジションにいたなと幸せに思います」「川島はお客さんと一番近い存在」という満島さん。観ていて感じる疑問を、ときには川島が重盛や摂津に「なぜ?」とぶつけてくれる。