濃い人たちの集まりがナチュラルに映る是枝マジック
依頼人の利益になれば真実は必要ではないとする重盛と、検事出身で現実主義的な摂津、そして理想主義的な川島。弁護士3人のバランスは抜群です。 「是枝(裕和)監督が何を思って僕をキャスティングしたのかなっていうことを考えてたんです。福山さん、鋼太郎さん、役所(広司)さん、そして僕が映った画を想像してみてください。普通に考えると濃すぎるんですよ。でも、実際に観ると強いパワーを持っているんだけど、ナチュラルに見えるっていう、すごい化学反応が……。びっくりしましたね。この濃い人たちが普通に映ってる!って。それも是枝監督の計算だったんだと思います」 そういう満島さんお気に入りのシーンを聞いてみると、重盛、摂津、川島が一緒にタクシーに乗っているところだという答えが。 「特に何かが起きるわけではないんですけど、3人の距離感だったり、生活スタイルだったり、やっていることみたいなものが一瞬にして見えるんですよね。完成した作品を観たときに、すごいな、おもしろいな、と思ったシーンです」撮影期間を振り返り、「(法廷劇に取り組むという)是枝監督の挑戦の中にいられるっていうのは、幸せでしかなかった」と満島さん。