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大原千鶴の心に残るレシピ「里芋と豚肉の照り煮」

2019.09.02

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私の心に残る味 9月

里芋と豚肉の照り煮

里芋と豚肉の照り煮豚肉と里芋は好相性です。今回は「京のもち豚」という京都のブランド豚を使いました。十五夜は別名、芋名月。収穫の慶びもこめて里芋をお供えします。お月見団子も東と西では違うようで私は京都の餡がかかったお団子がやっぱり好きですね。詳しいレシピは次ページ>>

料理・文/大原千鶴


秋になると空気が澄んできてお月さまが本当に綺麗に見えますね。

「十五夜」と言われる中秋の名月は別名「芋名月」。旧暦の8月15日にあたります。

大体が9月であることが多く、お昼間は残暑が残る時期でも、夜に月を眺めると「秋が来たんだなぁ」と思えます。

十五夜のお月見の文化は中国、韓国、台湾にも古くからあるもので、日本では平安時代に広まったようです。秋の実りに感謝し、豊作祈願する行事でもあったため芋をお供えするようになったとか。

そのためか、京都の月見団子は里芋の形をしているのですよ。こし餡がかかっていてちょっとユーモラスな形で、雅な都も豊かな実りがあってこそ、と町人の実直さが見えるお菓子だなと思っています。

街だと街灯で気付きにくいお月さまですが、実家のような山に行くと秋の月の光の明るさに驚きます。

昔実家で働いていた頃のことです。仕事が終わって母とお風呂から上がってきたら、縁側で父がビールとちょっとしたおつまみを用意して待っていてくれたことがありました。

月の綺麗な夜で、ビールの横にはアンティークグラスのランプに蠟燭を灯してくれて。おしゃれでロマンチストだった父らしい素敵なしつらいでした。

ビールをいただきながら月明かりの下でおしゃべり。お店のことやお客さまのこと、話は尽きず空が白むまで話をしました。

ずっと反抗期だった私でも、父との話が弾んで......。月の光はどこか心を溶かしてくれる気がします。

「芋名月」が終わると次は旧暦の9月13日に「栗名月」がやってきます。

「十三夜」とも呼ばれるその月は満月に少し足りないその姿がまたなんとも美しく、秋が深まり空気が少しピリッとした中に、黒く流れる雲がかかる月を見ていると、本当に心が吸い込まれていきそうになります。

芋名月に見た明るい月と栗名月に見る凄みのある月。昔の人はその片方しか見ない「片月見」は縁起が悪いと言っていたそうです。

私は両方の月を見てこそ、その本当の美しさがわかるものなのだと感じました。

秋の風情が感じられるようになるとこっくりとした味が食べたくなります


9月になると夏の食材が少しずつ秋のものと入れ替わってきます。

里芋が出回ると十五夜ももうすぐ。煮炊きものが楽しく感じる季節ですね。

里芋は実家にいた頃はシンプルに薄味で煮ることが多かったのですが、夜のメインディッシュにするのなら相性のいい豚肉と煮るのがおすすめです。

名残の枝豆は豆板醬でピリッと仕立てると、目新しくていいもの。簡単にできて酒の肴に最適です。

これも名残のみょうがは甘酢に漬けると鮮やかで、日持ちもよく、何かと重宝します。
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