——それぞれの役の演じ方についてはいかがでしょう？志尊：ジャスティスっていう役柄を作るにあたって、あまり決め事を作らないようにしようっていうのは心がけていました。映画からのキャラクターでゼロからのスタートだったので、自由にやったほうが楽しいかなと思って。でも、一番はやっぱり圭くんや鋼太郎さんたちが引き出してくださるものが大きかったですね。鋼太郎さんには、「志尊は殴りたくなるんだ」って言われて。そば屋のシーンで殴られるところなんて、急にでした（笑）。段取りのときは、なかったですからね。
沢村：アドリブなんでしょ？ 天才だよね。
志尊：圭くんも最初の本番のときは大笑いして、カメラマンさんも笑って（カメラが）揺れちゃってて。監督の笑い声も聞こえてきましたもん。でも、ああいうことをやってくださるのは、すごくありがたいなと。
沢村：志尊くん、いい顔してたもんね。
志尊：本当にびっくりしました。あれ、よく見るとほっぺ真っ赤ですからね。
沢村：ねぇ。バーンってやられて赤くなっちゃって。
志尊：あと、腹パンチも本番で急にだったので、本気のリアクションです（笑）。
沢村：圭くんは、セリフを言うっていうよりも、気持ちが先行してそこに言葉がついてくるっていう感じの芝居をするので、すごいなと思っていたんですけど、鋼太郎さんはまた違う表現だし、遣都くんは遣都くんで違う表現だし。すごくいいバランスでできている現場なんですよね。僕は志尊くんと違って、そこの中に入らなきゃいけない役じゃなかったので、そういう意味では楽だったし、入りたかったなっていうのもあるし……複雑です（笑）。
志尊：相手のお芝居をちゃんと受けるとか、感情が芽生えたときに起こる現象を大切にしてくださるんですよ。次はこのセリフだから、この感情でやらなきゃいけないっていうことを考えずに、その場で起こることを大切にさせていただけた部分が多かったと思います。普通、動きが変わったらカメラが追えないとかあると思うんですけど、なんでも追ってくださるし、合わせてくださいますし、尊重してくださるんです。
『おっさんずラブ』の出演者は「みんな真剣にコメディをやっているので、現場ではそこを強く意識して演じていました」と沢村さん。 
