藤野幸信さん 365日の贈り花ダイアリー 「フルール トレモロ」オーナー 藤野幸信さんが手がけたブーケやアレンジメントで綴る365日の花日記。贈り花のある、素敵な暮らしのヒントをお届けします。
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新登場の個性的なバラを誕生祝いに
シーアネモネ、訳すとイソギンチャク。これ、新登場のバラの名前です。イソギンチャクという名前のバラ、どんなバラか想像できますか?
シーアネモネは「京成バラ園」から発売された新品種で、いままでのバラにはない花びらの深い切れ込みが特徴です。その花形が熱帯の海にそよぐカラフルなイソギンチャクのように美しいとこからシーアネモネと命名されました。このバラ、世界に先駆けての発売なので、入手できるのはまだ日本だけなのです。
シーアネモネをいち早く栽培し市場に出してくれたのが、広島県竹原市の「神田バラ園」さんです。このバラは昨冬に開催された「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2018」の切花部門で最優秀賞を受賞しましたが、その品評会のシーアネモネも、じつは「神田バラ園」さんが栽培したものだそうです。「神田バラ園」さんの栽培技術は、日本のバラ業界で高く評価されているのだなーと、自分のことのようにうれしくなりました。
娘さんからお母さまの誕生日に贈る花のオーダーをいだたき、「神田バラ園」さんから分けてもらったシーアネモネをさっそく使ってアレンジしました。シーアネモネより少し濃いピンクのラナンキュラスと組み合わせ、個性的な花形がくっきり浮かぶように、花と花の間にグリーンと白のナチュラルなチューリップを挿しました。
お母さまはとても花が好きと伺っていたので、いままでに見たことがないユニークなバラが楽しいサプライズになるといいなと思います。
【使用花材】バラ シーアネモネ
ラナンキュラス シャルロット
チューリップ スーパーパロット
アスチルベ ライトピンク
アップルミント
グリーンフレークゼラニウム
テマリシモツケ ルテウス
贈り花のヒント花が好きな方、花に詳しい方に贈り花をする場合は、何かサプライズがあるとインパクトが強くなります。今回のように新種のバラを利用するのも一つの手。「こんな花見たことない!」というサプライズが喜びをより大きなものにすると思います。バラは毎年のように新しい品種が登場し、これから出回りの最盛期を迎えるラナンキュラスやスカビオサ、スイートピーも新しい花色や花形の品種が多くデビューします。新しい花をブーケやアレンジに加えて、贈り花に新鮮さをもたらすように工夫してみてください。
下の写真をスワイプしてご覧ください。
藤野幸信/Yukinobu Fujino
広島駅からほど近い段原の骨董通りにある「fleurs trémolo」(フルール トレモロ)オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を卒業後、花の道に進んだ異色の経歴。店名のtrémoloは音楽用語で震音を表し、「感動で声が震える」ことを意味する。感動する花束を多くの人に届けたい、という思いから、市場を頼らず、自ら生産者情報を入手して、お気に入りの花を集める。何種類もの花を使ったブーケは、エレガントでナチュラル。制作したブーケのアップを続けているフェイスブックから人気が広がり、全国各地から贈り花のオーダーが届く。月刊『フローリスト』などの雑誌の連載や表紙などでも人気。
https://www.fleurs-tremolo.com 『人気フローリストが教える フラワーアレンジのデザイン&ヒント78 大切な人への贈り花』 2021年4月12日発売!
誕生日、結婚記念日、ウエディングなど、78例のブーケ&アレンジメントを色別に掲載しています。オールカラーの大判の単行本で楽しむ、藤野さんのナチュラルでエレガントな花の世界は、眺めるだけで幸せな気持ちに。色別花図鑑コラムや全国の生産者データなどお役立ち情報やインデックスも充実。大切な人へ花を贈る際のヒントが満載です。