「生涯現役」で輝く人生を 第4回(全5回) 90代を現役で活躍する女性たちは、なんと生き生きと輝いているのでしょう! 高齢になっても元気に過ごすために医療や栄養の専門家が注目するのが、50代からの「筋肉づくり」。将来の健康を左右する筋肉の重要性と、筋肉のもと、たんぱく質をしっかり摂れる三食の特別献立をご紹介します。
前回の記事はこちら>> 「体重×1.7」グラムのたんぱく質を朝昼晩にちりばめる
女子栄養大学 実践栄養学科教授
栄養学博士 管理栄養士
石田裕美(いしだ・ひろみ)先生
女子栄養大学大学院栄養学研究科修了。2005年より現職。研究テーマはライフステージに応じた食事管理・栄養管理など。「アクティブシニア『食と栄養』研究会」運営委員。“食事全体”を整えて筋肉に必要な栄養を摂る
50代女性のたんぱく質摂取の目標量は総エネルギー量(1900キロカロリー)の13〜20パーセント。重量に換算すると62〜95グラムになります。
今回は「筋肉づくり」を目的に、多めの約90グラム(体重53キロとして体重×1.7に相当)を摂取できる三食の献立例を石田裕美先生に提案していただきました。
目標量のたんぱく質を摂るには、肉・魚(動物性たんぱく質)、大豆製品(植物性たんぱく質)、乳製品を三食にちりばめ、かつ一回の食事では主菜のみならず、副菜にもたんぱく質の豊富な食材を加えるとよいでしょう。
大前提は、すべての栄養をバランスよく。糖質が足りないとたんぱく質が代わりのエネルギー源として消費されてしまいますし、ビタミンB6はアミノ酸の体内での代謝を助け、必須アミノ酸(特にロイシン)には筋肉合成を促進させる働きがあります。
またビタミンDはカルシウムの吸収を助け、筋肉強化にも働きます。このように、他の栄養素も一緒に摂ることで、たんぱく質を効率よく筋肉に変えることができます。
「私たちが食べるのは栄養素ではなく“食事”。注目する栄養素だけを取り入れれば健康になるわけではありません。この考え方が筋肉づくりにも大切です」
医学界でも注目の栄養成分「ロイシン」とは?
たんぱく質は分解するとアミノ酸になり、筋肉に変わる。必須アミノ酸(体内で作ることのできないアミノ酸)の中でも「ロイシン」は、体に筋肉合成を促すシグナルを送る働きが大きいことが明らかになった。
食品の中では牛肉、レバー、鶏肉、まぐろ(赤身)、卵、高野豆腐、納豆などに多く含まれている。
たんぱく質が豊富な食材1回使用量あたりの含有量
参考資料/日本食品標準成分表2015年版 ※加熱前のたんぱく質量