——岡田さんが浮かばなかったとおっしゃる画。TAKAHIROさんと市原さんには、見えていましたか?TAKAHIRO:いえ、正直“結局、俺ってどの役だったっけ?”みたいな(笑)。そういう感じになったので、ビジョンを浮かべるどころか台本をちゃんと読めてないっていう。
市原:いやいやいや(笑)。
TAKAHIRO:だから、本読みのときに音として聞いて、“なるほど”がかなりありましたね。
市原:まず、3人が同じ役で芝居をするというのが初めてだったので、すごく貴重な経験だなという思いで、撮影が楽しみでした。
——現場に入ってわかったこと、見えたことも多かったんですね。TAKAHIRO:発見だらけでしたね。だから、撮影を進めながら、楽しめたというか。撮影が終わってからも、思い出したときに“あそこでなんであんな嘘をついたんだっけ”とか、こんがらがってくるんですよね。すべて繋がっているので、ちゃんと解消はされるんですけど。
市原:“あ、衣装も髪型も一緒なんだ”って。まずそこからでしたね(笑)。でも、芝居が始まって安心しました。(2人を)信頼していたのですが、そのとおりだったので。だから、2人に委ねるところは委ねさせていただいて、自分がシーンを動かすときには精一杯、感情にぶつかるような芝居を意識していました。映っていない人の表情や立ち居振る舞いも、すごく格好いいですし、面白いんです。
岡田:みんなが面白いものを作ろうという意識のもと集まっているだけあって、いい緊張感があり、いい抜け感もあり。本当のところは順調だったのかどうかわからないですけど、終わってみたら順調だったなって思える、ホントにいい時間を過ごさせてもらったなと感じられる撮影でしたね。
本作が初めての時代劇映画主演となったTAKAHIROさん。今川軍の残党・蒲原氏徳(高嶋政宏)と1対1で剣を交えるシーンは必見。