お楽しみのランチは、女性料理人・前沢リカさん監修のしみじみおいしい和食に大満足
さて、機内のお楽しみは食事。ランチは前菜2種、メイン5種からそれぞれ選ぶスタイルです。サーモンスープをはじめ到着前からフィンランド気分を堪能できる料理にも心惹かれますが、東京→ヘルシンキ路線は東京・富ヶ谷の和食店「七草」の前沢リカさん監修の料理も登場。フィンエアーだけのオンリーワンの味ですから、これはぜひともチェックしたいところです。
前沢さんは、惜しまれつつ閉店した江戸料理の名店「なべ家」をはじめ、和食の第一線で研鑚を積んだ、和食料理人。旬野菜や乾物を取り入れ、野に咲く花のように可憐で滋味溢れる料理は、女性を中心に支持を集め、ミシュランガイド1つ星に輝いています。搭乗した日は夏メニューを楽しめました(2019年9月5日からは秋メニューを提供中)。前菜は「夏の七草花織り(かおり)箱」。
清々しい白木の箱に詰められているのは、酢の物や煮びたし、白和えなどの野菜料理やだし巻き玉子…。心がホッと和む味とはこのことですね。続いてメインは「和牛のトマトすき焼き」。ボリュームたっぷりのすき焼きにトマトのうまみと爽やかな酸味がプラス。ごはんもワインもついつい進んでしまいます。フィンランド出張の1週間ほど和食とお別れになりますが、もう心残りはありません。
ビジネスクラスでサービスされるグラスやテーブルウェアにも、デザイン王国の矜持が漂います。グラスはフィンランドデザインの巨匠、タピオ・ヴィルカラによるイッタラの「ウルティマツーレ」を採用。ヴィルカラがたびたび訪れていたラップランドの氷が溶ける様子からインスピレーションを受けてデザインされたとか。シャンパンは英国王室御用達のメゾン「ジョセフ・ペリエ キュヴェ ロワイヤル ブリュット」前沢リカさん監修メニュー「夏の七草花織り箱」。お弁当箱にフィンエアーのロゴがプリントされるだけで北欧の風が。ナプキンには、マリメッコの「ラウタサンキィ」柄がプリントされた紙が、リング代わりに巻かれていて、こちらもキュート。蓋を開けると彩り豊かな和の品々が現れます。それぞれに手をかけられた野菜料理が一度に食べられる幸せを満喫。料理に漂う“華美ではないけど、しみじみと心和む”空気感は、フィンランドのお国柄にも通じるものがありました。同じく前沢さん監修のメインディッシュ「和牛のトマトすき焼き、焼き椎茸、ごはん」。山椒とバジル、それぞれのハーブのスッとした香りもアクセントに。器、紙ナプキンともにマリメッコです。最新鋭のエアバスA350-900。機内が静かで空気も綺麗なのは、とても重要なおもてなしです
ゆったりと全身を伸ばせるフルフラットシートは言うまでもなく快適なのですが、このたびのフライト中、ずっと感じていたのが「とても静か」であること。それもそのはず、東京→ヘルシンキに導入の最新鋭のエアバスA350-900は、従来の騒音レベルの標準より16デジベルも低く、現世代の航空機より20%静かとのこと(フィンエアー公式ホームページより)。航空機の機体そのものには詳しくないのですが、みんなが快適に過ごすための進化は素晴らしいと思います。ちなみに空調も進化していて、高性能のフィルタリングシステムが2〜3分おきに客室を換気しているそうです。長距離フライトでの体調管理において、機内の空調はとても重要なので、こちらも嬉しい進化ですね。
フィンエアーは現在、成田、中部、関西、福岡(夏期スケジュールのみ)からヘルシンキまでの直行便を約9時間30分で運航。一番近い、ヨーロッパとしてすでにお馴染みではありますが、快適なフライトは9時間30分があっという間に感じました! 2019年12月16日(ヘルシンキ発は12月15日)には新千歳空港にも就航。ヘルシンキに週2便の運航が決まり(2020年3月27日まで)、ますますフィンランドへの旅が身近になります。
日本とフィンランドの外交関係樹立100年を迎えた2019年は、記念イヤーとして何かと話題ですが、2020年には1000種以上の多様な動植物が生息する島・ヴァッリサーリ島でヘルシンキ初のビエンナーレが開催されるなど、来年以降も旅の楽しみが目白押しです。再びのフィンランド訪問が叶う時のエアラインはもちろん「フィンエアー」です!
静かな機内で最高の音響を楽しむ至福の時。ヘッドホンは「BOSE」です。マリメッコの「キヴェット」が大胆に描かれたエアバスA350。フィンエアーの詳しい情報はこちらへhttp://www.finnair.co.jp/ 〔特集〕愛されるデザインと心豊かな時間「北欧の美しき暮らしを訪ねて」(全10回)
撮影・取材/古屋留美(家庭画報編集部)