スタイリストに教わる、 着こなしで「美しい背中」は演出できる？

カバーするより、どこに目をもっていくか

「お洒落をしたいという意識は、とてもポジティブなこと」という大切なメッセージの後に、実際の服選びのコツも教えてくださいました。

「柔らかく薄い素材のトップスは、密着して体のラインが見えやすいので、厚みや張り感のある素材を選び、エアリーなオーバーシャツなど、体から少し浮いたトップスを選ぶと背中の丸さがカバーできます。首回りにギャザーやタックのあるデザインや、肩から袖が1枚生地でつながったラグラン袖も体が丸く見えやすいので要注意。ジャケットやYシャツのような襟や袖付けのあるデザインは、シルエットを四角く、体をほっそり見せてくれる効果がありますので、ぜひ覚えておいてください。服を購入するときは、横から見て、姿勢がよく見えるかどうかを必ずチェックしましょう」


欠点をカバーするのではなく、視線を別の箇所にもっていくテクニックもおおさわさんが得意とするところ。

「大きな花柄、幾何学模様など柄を取り入れてみる、また、構築的な襟やスリーブのようなデザイン性の高いものを選ぶことで、個性に目がいくようになります。インパクトカラーに挑戦してみるのもいいですね。“今日は、何だか格好いいじゃない？”と褒められる日は、きっと背中の丸さも目に入らないはず。遊び感覚でトライしてみたら、そこからお洒落の扉が開きます。今回、私がお話させていただいた“姿勢”には2つの意味があって、立っているそのものの姿勢と生きる姿勢、それが常に背中合わせになっています。だからこそ、“服は生き様そのもの”。お洒落も人生も、前向きに楽しんでいってください！」

スタイリスト・おおさわ千春さん

『家庭画報』ファッションページほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手がける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。